コストを抑えて勤怠管理の業務効率化を進めるなら、マクロを使ったエクセルの活用がおすすめです。タイムカードを転記する方法で勤怠管理を行っている事業主の方は、利用を検討してみましょう。

エクセルの勤怠管理のメリットや注意点について解説します。

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エクセル(Excel)のマクロを用いて勤怠管理ができる

勤怠管理システムは、エクセルで作成することが可能です。関数を使った簡易的なものもありますが、マクロを利用すれば、より多くの機能を搭載できるでしょう。

エクセルのマクロを使った勤怠管理を行う方法を2パターンご紹介します。

プログラミング言語「VBA」でマクロを組む

VBAとは「Visual Basic for Applications(ビジュアルベーシック・フォー・アプリケーションズ)」の略称で、エクセルやワード、パワーポイントのようなofficeシリーズで利用できるプログラミング言語です。

一方のマクロとは、エクセルなどのソフトの処理を自動化する機能です。VBAを利用すると、エクセルのマクロを簡単に組むことができます

マクロが組み込まれているテンプレートを活用する

マクロがあらかじめ組み込まれているテンプレートを活用すれば、専門知識がない方でも簡単に勤怠管理の効率化ができます。

「VBAを使えば簡単にマクロが組める」といっても、プログラミングやVBAの知識を一切持たない方がゼロから取り組むのは困難です。あらかじめ必要な数式やマクロが組み込まれたテンプレートを活用しましょう。

ただし、インターネット上でテンプレートをダウンロードする場合は、マクロウイルスに注意しましょう。また、マクロに詳しくない方が利用する場合、自社に適したカスタマイズができない、マクロが壊れた際の修正ができないなどの問題が起こることもあります。

一般的な勤怠管理表のエクセルテンプレートは以下の記事にまとめました。

>>勤怠管理表をエクセルで作るには?無料テンプレートもあり!

エクセルでマクロを組み勤怠管理をおこなうメリット

エクセルのマクロを活用した勤怠管理システムには、多くのメリットがあります。その他の勤怠管理方法と比較しながら、4つのメリットをご紹介します。

高度な自動化が可能

エクセルを使った勤怠管理は、関数を使って行うこともできます。しかし、マクロを利用すれば、より高度な自動化が可能になります。業務の自動化は、マクロを活用する大きなメリットです。

たとえば「記録された勤怠データを自動で集計表に転記して一覧表を作る」といったことも、マクロを使えばワンクリックでできます。さらに、時給制の従業員の時給計算を行うことも可能です。

これまで手作業で行っていたさまざまな業務を自動化できれば、それだけ業務効率が上がるでしょう。手作業による転記ミスや計算ミスもなくなります。

費用がかからない

もともとエクセルを利用している企業なら、エクセルの勤怠管理システムの導入にコストを支払う必要がありません。

外部の勤怠管理システムを利用するには、一定の費用がかかります。導入コストだけでなく、毎月の利用人数に応じたランニングコストもかかるため、利用すればするほど費用がかさんでいきます。

社内で作れるエクセルの勤怠管理システムは、コストに優れた方法だといえるでしょう。作業時間に応じた人件費はかかりますが、もともとの従業員が対応するのであれば、追加コストはさして必要ありません。

保管場所が必要ない・ペーパーレス化

タイムカードは、5年間の保管が義務付けられています。

保管の必要があるのはエクセルでの勤怠管理でも同様ですが、データを電子的に保存できますから、保管場所を確保する必要がありません。

もちろん、うっかり削除してしまわないようにバックアップを取り、適切な管理を行う必要はありますが、紙のタイムカードや出勤簿を保管する場合に比べれば、コストや手間の削減が可能です。

自社に合わせたカスタマイズができる

ゼロベースでエクセルの勤怠管理システムを作り上げる場合、企業の特性に合わせたカスタマイズが容易に行えます。テンプレートを使う場合でも、エクセルなら細かい調整をしやすいでしょう。

既存の勤怠管理システムは機能が豊富ですが、企業によっては必要のない機能が搭載されていることもあります。反対に、必要なカスタマイズができなかったり、対応に手間がかかったりすることもあるでしょう。

過不足なく必要な機能をカバーしたシステムを利用するためには、自作の方が適している可能性があります。

エクセルによる勤怠管理はこんな注意点も

エクセルでマクロを組んで勤怠管理を行うことで、業務効率化や正確性の向上、省スペース省コストなどが実現可能です。その一方で、エクセルの勤怠管理には注意点もあります。

エクセルで勤怠管理を行うデメリットを2点紹介します。

勤怠管理システムと比較すると工程が多い

エクセルの勤怠管理システムでも業務効率化は可能ですが、専用のシステムと比べると効果は限定的になりがちです。手作業で入力する箇所が多かったり、法改正に対応するためのメンテナンスが必要だったりと、導入時だけでなく運用時にも手間がかかります。

専用の勤怠管理システムでは、出退勤の打刻や自動集計が簡単に行えるようになっています。いくら自動化を進めても、エクセルの勤怠管理ではフォローしきれない部分もあるのです。

国が定めたガイドラインに沿わない可能性がある

勤怠管理に関するガイドラインでは「上司などが確認して記録する」あるいは「ICカードなどで客観的な記録を取る」ことを原則としています。使用者が見ていないところでエクセルに出勤時間を入力するといった方法では、この原則には沿わないでしょう。

自己申告制で勤怠管理をする場合は、十分な説明や実態調査の実施などを行うことが求められています。

将来的に問題視されることがないように、ガイドラインを守る運用を意識しましょう。

(まとめ)長所と短所を考慮してエクセルの勤怠管理を導入しよう

エクセルの勤怠管理には、長所と短所の両方があります。一概に良い、悪いと言えるものではありません。それぞれの企業にとって、メリットとデメリットのどちらが大きいかを考えて導入を検討してください。

ただし、マクロを使った勤怠管理を導入するためには、マクロを扱える従業員の存在が必須です。そのために新たに従業員を雇うくらいなら、専用の勤怠管理システムを利用する方が効率的でしょう。手段と目的を見誤らず、最適な形を見つけてください。

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