勤怠管理表をエクセルで作るには?無料テンプレートもあり!

手書きの勤怠管理には、集計に手間がかかる、読みづらい、バックアップが取れないといった問題があります。

こうした問題を解決する方法のひとつが、エクセルを使った勤怠管理表の活用です。エクセルは多くの事業主が日常的に利用しているソフトですから、コストをかけずに勤怠管理ができます。

本記事では、エクセルを使って勤怠管理をしたいと考えている方向けに、エクセルでの勤怠管理表の作り方や無料テンプレートをまとめました。勤怠管理方法に悩んでいる方は、ぜひ参考になさってください。

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エクセルでの勤怠管理表の作り方

エクセルで勤怠管理表を作る方法について、ひとつひとつ順を追って解説していきます。まずは、手順に沿ってベースとなる管理表を作成してみましょう。

計算式を使って1日の勤務時間を表示

勤怠管理には1日ごとの勤務時間の把握が必要ですから「出勤時間」「退勤時間」「休憩時間」を入力することで、自動的に勤務時間が計算されるように式を作りましょう。

4月1日の「勤務時間」欄にカーソルを合わせて、以下の式を入力します。

「=4月1日の退勤時間-出勤時間-休憩時間」

「=」を入力した後、4月1日の退勤時間を入力するセルをクリックしてから「-」を入力、出勤時間を入力するセルをクリックして「-」を入力、休憩時間を入力するセルをクリックしてエンターキーを押せば完了です。

月末まで計算式をコピー

1日の「勤務時間」の式を月末までの各日にちにコピーします。

1日の「勤務時間」セルをクリックして右下にカーソルを合わせると、「+」マークが表示されます。「+」マークが出ている状態でクリックをして、そのまま指を離さずにマウスを下に動かし、末日の「勤務時間」セルまでドラッグしてください。

完了したら、式が正しく入力されているか、セルをクリックして確認してみましょう。

SUM関数を使って合計勤務時間を表示

1ヵ月の合計勤務時間を算出するために、SUM関数を利用します。

まず、合計勤務時間を入力したい欄をクリックして選択した後、エクセルの右上にある「ΣオートSUM」というボタンをクリックしてください。「=SUM()」という文字が自動入力されます。

その後、4月1日の「勤務時間」セルをクリックして、指を離さずに30日の「勤務時間」セルまでドラッグしてエンターキーを押せば完了です。

 

表示形式の変更

前項で「合計勤務時間」に式が入りましたが、このままでは正しく表示されません。正しく表示させるために、以下の手順で表示形式の変更を行います。

1.「合計勤務時間」セルを選択

2.右クリックして「セルの書式設定」をクリック

3.「ユーザー定義」をクリック

4.キーボードの「Alt」を押しながら「T」を押す

5.「[h]:mm」と入力(コピーペースト可。「」は不要)

6.「OK」をクリック

交通費の計算

交通費の計算をするために、出勤日数が自動で入力される計算式を作ってみましょう。

出勤日数を表示させたいセルをクリックして、エクセル右上の「ΣオートSUM」の右の▽をクリックします。「その他の関数」の中から「COUNT」を選択して「OK」を押してください。

次に、出勤時間が入ったセルを4月1日分から30日分までドラッグし、もう一度「OK」を押せば完了です。

正しく表示されていない場合は、該当のセルを右クリックして「セルの書式設定」>「表示形式」>「標準」を選択してください。

給与の計算

最後に、時給で給与を支払う場合の計算式を入力します。給与額を表示したいセルをクリックした後、計算式を入力します。

入力する計算式は以下の通りです。

「=「時給」×「合計勤務時間」×24+「交通費」×「出勤日数」」

時給と交通費は、それぞれ記載欄を作って入力しておきましょう。「24」を掛けるのは、エクセルが「24時間を1(日)」と認識しているからです。24を掛けることで、正しい数字が算出されます。

表示がおかしいときはセルを右クリックして「セルの書式設定」>「表示形式」>「標準」を選択してください。

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勤怠管理表の無料エクセルテンプレート

勤怠管理表は無料でダウンロードできるものもあります。自社にマッチした書式の勤怠管理表を活用すれば、いちいち数式などを入れる必要がありません

ここでは、無料エクセルテンプレートを用意しているサイトを4つご紹介します。

bizocean(ビズオーシャン)

ビズオーシャンは、ビジネスに便利に活用できるエクセルテンプレートを3万点近く公開しているサイトです。

勤怠管理表については12種類がダウンロード可能で、勤務時間を自動計算してくれるシンプルなものから、時給制、日給制などの給与計算ができるもの、残業時間と深夜残業時間を算出できるものなどバリエーション豊かです。

ただし、すべて無料というわけではない点に注意しましょう。

EXCEL勤怠テンプレート

EXCEL勤怠テンプレートは、さまざまなサイトの無料のエクセル勤怠テンプレートを集めたサイトです。複数のサイトのテンプレートを一度に確認できるというメリットがあります。

飲食店やコールセンター、ECサイトなどアルバイトが主な業種はもちろん、直行直帰や有給休暇、日またぎ残業などにも対応した正社員向けのテンプレートも用意されています。

アルバイト用と正社員用でそれぞれ絞り込んで検索できるので、希望のテンプレートを探しやすいでしょう。

勤怠管理表エクセルテンプレート

さまざまな勤怠管理表のエクセルテンプレートをすべて無料でダウンロードできるサイトです。

サイドの「テンプレートメニュー」からテンプレートの種類を選択すると、簡単な使い方や中身の特徴が書かれた説明ページに移動します。ダウンロード前に具体的なイメージをつかめますし、どんな風に活用すればいいのかもわかりやすいので、エクセルをあまり使い慣れていない方にもおすすめです。

在宅勤務対応出勤表

Microsoftが提供している無料テンプレートです。始業時間、終業時間、休憩時間、実働時間のほかに、出勤か在宅かを入力できる枠が設けられています。

比較的シンプルなエクセルファイルですから、テレワークを行っている企業はもちろん、在宅勤務をしていない企業が通常の勤怠管理に活用することもできるでしょう。Microsoftが提供しているという安心感を得たい方にもおすすめです。

エクセルで勤怠管理した場合の問題点

エクセルでの勤怠管理は手軽で低コストというメリットがあります。しかし、長期間にわたって正確に勤怠管理をするという観点からは問題があるでしょう。エクセルの勤怠管理に潜む4つの問題点を紹介します。

入力ミスが起こりやすい

エクセルシートに毎日の出勤時間や退勤時間を入力していると、どうしても入力ミスをしてしまうことがあります。休日を忘れたことで記入欄がずれてしまったり、うっかり事実とは異なる数字を入れてしまったりする可能性もあるでしょう。また、そもそも入力を忘れてしまうことも考えられます。

毎日エクセルに勤怠管理を手入力をしている限り、人的ミスが起こる可能性は決して低くありません。マクロで自動化しても限界があります。エクセルでの勤怠管理は、長期的な運用には向いていないといえるでしょう。

関連記事:マクロを用いたエクセルでの勤怠管理の方法は?メリットや注意点を解説

作業の負担が大きい

エクセルの勤怠管理表を使う場合、従業員ひとりひとりに毎日出勤時間と退勤時間を入力してもらわなければいけません。日々の業務にひと手間加わることになるため、その分負担がかかります。

また、最終的にひとり1シートで管理されている勤怠管理表を集計する作業も必要です。全員の勤怠を1シートにまとめて表示させる式を組んでおくこともできますが、ずれなどがないかを目視で確認しなければいけません

給与計算担当者にとっては、時間のかかる作業です。

柔軟な働き方に対応しにくい

エクセルの勤怠管理表は、シンプルで手軽な反面、柔軟性には欠けます。フレックスタイム制やリモートワークなど、柔軟な働き方を導入している企業にとっては、対応しにくい管理方法です。

法的に推奨されていない

厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」によると、労働時間の把握は、原則として雇用する側が記録するか、タイムカードなどの客観的な記録を利用するとされています

エクセルの勤怠管理表は自己申告ですから、推奨されていないといえるでしょう。上記のガイドラインには、やむを得ず自己申告制で記録する場合、以下の措置を取ることと記載されています。

・従業員に対して自己申告についての説明をしっかり行う

・労働時間の管理者に対してガイドラインに沿った十分な説明を行う

・必要に応じて実態調査を行い、実態に即していなければ補正を行う

・自己申告よりも多く会社に残っている従業員がいた場合、正しい理由を調査して必要に応じた措置を取る

・事業主や管理者は、従業員の正しい申告を妨げるような指示をしてはならない

関連記事:厚生労働書|労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン

勤怠管理のシステム化

勤怠管理をシステム化することで、エクセルよりも簡単に、正確な勤怠管理が可能になります。作業効率化や管理コストの削減、人的ミスの軽減を目指すのであれば、勤怠管理システムの導入も検討しましょう。

一般的な勤怠管理におすすめ「freee人事業務」

業種を問わず広く利用できる労務ソフトです。勤怠管理に留まらず、給与計算や給与明細出力、年末調整、入退社管理、マイナンバー管理などを一括して行えます。

料金システムは「ベーシック」「プロフェッショナル」「エンタープライズ」の3種類で、もっとも廉価なベーシックは基本料金3,980円/月、従業員料金1人あたり500円/月で利用できます。

小売業の勤怠管理におすすめ「スマレジ勤怠」

勤怠管理、シフト管理、労務アラート、給与計算、年末調整などの機能が使える勤怠管理システムです。シフト管理機能や労務アラート機能がついているため、シフト制のスタッフを多く雇用する小売業や飲食業などにおすすめです。

料金プランは、従業員30名までの勤怠管理のみなら無料、給与計算や年末調整、シフト作成を含むプランは10名まで2,200円/月です。

医療機関の勤怠管理におすすめ「CWS就業管理システム」

CWS就業管理システムは、医療機関の勤怠管理に特化したシステムです。医師の当直やオペ室の待機勤務、看護師の交代勤務など、医療従事者ならではの勤務形態に適応できる点が特徴です。

料金は、管理対象職員数や拠点数などに応じて個別に算出されます。利用を検討している事業主は、まず詳細資料請求を行いましょう。

運送業の勤怠管理におすすめ「TUMIXコンプラ」

運送業界の勤怠管理なら、TUMIXコンプラがおすすめです。毎日の出勤、退勤時にボタンを押すだけの簡単操作で、従業員に負担をかけることなく簡単に勤怠管理ができます。

また、デジタコの実績を直接取り込みして運航結果を数値化することも可能です。運送業専用フォーマットで、時間管理が難しい運送業界の勤怠管理を強力サポートします。

料金は月額17,000円(1ID料金含む)で、1ID追加ごとに3,000円が加算されます。

製造業の勤怠管理におすすめ「コレクトタイムナビ」

コレクトタイムナビは、手のひらを機械にかざすだけで出退勤の打刻ができるシステムです。IDカードなどを所持しなくても、正確な勤怠管理が行えます。私物などの持ち込みが難しく、管理する人数の多い製造業や工場に適したシステムです。

月額料金は5,000円で、別途1人あたり200円~300円がかかります。また、導入費用として端末購入料金35,000円またはレンタル料金6,000円/月と、設定費用10万円が必要です。

まとめ

エクセルでの勤怠管理は、手軽であるというメリットがある反面、ミスが起こる可能性が高く、長期運用には適しません。勤怠の履歴は長く保管する必要があるものですから、人的ミスで改変されたり、失われたりする可能性が低いシステムを利用するのがおすすめです。勤怠管理方法について、改めて検討してみましょう。

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