学生の就職に対する価値観の格差

執筆者
中川豊章
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「価値・経験」を第一に考える学生の増加

最近、静岡でモチベーションの高い大学生と話す機会があって驚いたことなのですが、「仕事をする上で給料はいくらでもいい」と言うのです。首都圏ではベンチャーに安い年俸で就職して、経験して、転職して、を繰り返す文化があることはよくわかっていましたが、静岡でもかなり増えているらしいのです。 資本主義から価値主義になっていると本で読んだことがありますが、自分の価値を高めることにしか興味を持たない学生が増えている。価値や経験、信用はいつでもお金に換金できるということを学生が体現しているというのに驚きましたね。

学生間の格差が鮮明になっていることも事実

価値を第一にする学生が増えている一方で、権利主張型の学生が増えていることも事実ですね。企業の採用担当者に話を聞くと、「土日休み」「残業なし」などを主張する学生が増えていることもわかっています。学生の中で就職に対する価値観の格差がすごく広がっているということです。日本の特徴である新卒一括採用もここにきて変化せざるをえないかもしれませんね。画一的に多くの学生を採用すると、優秀な学生を採用できなくなることもあります。

一本釣りと大量採用の併用も考えなければならない

首都圏では優秀な学生を青田買いするためにインターンシップの時点で確保しておきます。並行して一括採用もしている。首都圏ではすでに同じ新卒でも年俸を変える動きも増えていることを考えると、地方の優秀な学生も首都圏での就職を検討するようになりますよね。

それでも静岡で働きたいという優秀な学生はいますので、このような学生を一本釣りする方法も企業としては考えなければならない。ただし、このような学生は「ルールだから」「そういうものだから」ということを嫌い、いやになれば辞めてしまいます。企業内の風土づくりも含めて変えなければいけないですし、彼らを指導する優秀な先輩も必要なので、中途採用で首都圏からUJIターンで優秀な人材を確保することも必要でしょうね。