体験型ツーリズムで生き残る静岡市

執筆者
中川豊章
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拡大する体験型ツーリズム

インバウンドという言葉も古くなってきましたが、最近は「体験型」というキーワードが観光業界では多いですね。観光地に行くだけではなく、そこで貴重な体験をすることが、観光客を集めています。これにはインターネットが大きく影響しています。

インターネットが発達していない時代は、例えばマチュピチュやオーロラを見たければ現地に行くか、実際に行った人が撮った写真を見せてもらうか、書籍や雑誌などから探さなければ、簡単に画像さえも見ることができませんでしたよね。そのため、現地に「行く」だけで十分価値のある目的でした。でも今ではネットやSNSで調べればすぐに出てきます。写真で見るだけでは、ほかの人に伝える情報としては弱くなっていることがわかりますよね。
「○○に行って○○した。」という動詞部分の重要性が本当に高くなってきています。

 

体験型ツーリズムで静岡市が成功するためのキーワードは「日帰り」

静岡市はやはり観光資産としては本当に弱いと思いますし、ほかの特徴のある魅力的な観光地に勝てない。これは仕方ないこととして受け入れるしかありません。私も東京から友達を呼んでも1泊2日もちません(笑)。

静岡市の特徴として私が思うのは、「東京から新幹線で1時間」、「富士山が見られる」、この合わせ技しかないと思っています。海外の観光客のゴールデンルート上で、体験型の何かができるとなれば寄ってもらうことぐらいできるかと思います。行政や観光業としては1泊してほしいところでしょうが、東京を朝出て、夜京都につく間にできる体験をたくさん用意してみるといいと思いますね。
「丸子で山芋掘り」、「麻機でれんこん掘り」、「お茶の手もみ」、「久能でいちご狩り」などなんでもいいのです。

ゴールデンルートの移動時間の3時間~5時間位の中で体験できれば、旅行中の貴重な時間を有効に使えます。ほかの観光地と内容で差別化できないのなら、東京からの移動距離や移動時間をアピールして差別化するのも一つの手だと思いますね。