変えるのはよそ者移住者

執筆者
中川豊章
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だいたい街を変えるのは「よそ者移住者」

覚悟の問題なのかと思う時があります。地方活性、商店街再生の事例も最近は増えてきていますし、私も静岡という地方在住のマーケティング会社勤務という職業柄、このような関連の記事をよく読みます。最近読んだのは山形市庄内のヤマガタデザインの事例、宮崎県日南市の商店街の有名な再生の事例でした。共通点は「よそ者」でした。よそ者という言い方はよくないもしれませんが、やはりよそ者しか変えられないことがあるのではないかと感じています。

 

「ここでやるしかない!」が変えるものは仲間の意思

この2社の事例は有名なお話ですが、書籍や記事で読んだことから分析させてもらうと、自分自身で「やらなきゃならない環境を作っている」ということが言えると思います。2社は全く違う方法ですが、ヤマガタデザインは自分自身が庄内に可能性を感じ、移住し、家を買うというチャレンジをすることで周りを認めさせた。縁もゆかりも仕事もないところに可能性を感じてここまでやる熱意が成功に導いたのです。日南市の場合は商店街再生を担う人を月給90万円で雇うという市長の英断から始まっています。市としても本気になり、もちろん市長に選ばれた木藤さん、田鹿さんも本気になったでしょう。こちらももちろん移住をしています。 やはり、街を変えるということは、周りを含めて本気になる熱意の根源がなくてはいけません。それを作ったのが「よそ者」としての逃げ場のない環境だったのだと思います。

やはり静岡は恵まれているのか?

私は静岡市に住んでいるので最もよく知っているのは静岡駅前の商店街です。このエリアはかつてほどユニークなお店がなくなったという意見はありますが、まだまだ商店街としての機能は失っていません。セブンイレブンやマツモトキヨシといった全国チェーンが高い賃料を払っても成り立つからです。この環境ではおそらく火事場の馬鹿力は出せないでしょう。あるとき某お菓子屋さんから聞いたのですが、静岡市の商店街の家賃は吉祥寺と同じだと。まだまだ強気な環境であることもわかりますね。 街づくりコンサルも東京から日帰り出張で来るなど、あくまで請負仕事という面もあると思います。最近、清水商店街はコスプレの世界選手権をやるなどユニークなイベントを行っていますが、まだまだ出店などにつながっていない印象です。 静岡市が本気になるにはまだ時間がかかりそうですが、「本気のよそ者移住者」が来たら変わるかもしれませんね。