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COLUMお役立ちコラム

2026年10月9日

kintone AIの業務別活用例10選|営業・総務・カスタマーサポートですぐ使える質問例付き

「kintone AIを有効にしてみたけれど、どの業務で使えばいいのか分からない」「検索AIを作ってみたものの、何を質問すればいいのかピンとこない」という方は多いのではないでしょうか。

kintone AIは、サイボウズ社が提供する業務改善プラットフォーム「kintone」に搭載されたAI機能です。スタンダードコース・ワイドコースであれば追加料金なしで使えますが、効果を出すには「どの業務で」「どう聞くか」を具体的にイメージしておくことが大切です。

本記事では、営業・カスタマーサポート・総務などの部署別に、kintone AIの活用例を10個ご紹介します。それぞれに、そのまま使える質問例・指示例と、効果を出すコツをまとめました。自社の業務に置き換えながら、ぜひ参考にしてください。

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【この記事で分かること】

  • kintone AIの6つの機能と、それぞれが得意な業務
  • 営業・カスタマーサポート・総務など部署別の活用例10選
  • そのまま使える質問例・指示例
  • 活用効果を高めるアプリ設計のコツ
  • クレジットを無駄にしない使い方

kintone AIの業務活用で押さえたい基本

活用例をご紹介する前に、kintone AIの機能と、業務で使うときに意識したいポイントを整理しておきましょう。

6つのAI機能と得意な業務

kintone AIには6つの機能があり、それぞれ得意な業務が異なります。

機能名できること向いている業務
検索AI指定したアプリのデータをもとに、AIが質問に回答する社内問い合わせ、過去事例の検索、ナレッジ共有
レコード一覧分析AI一覧画面のデータを分析・要約する案件管理、日報の集約、問い合わせの傾向分析
スレッド要約AIスペースのスレッドのやり取りを要約するプロジェクトの情報共有、議論の振り返り
アプリ作成AI作りたいアプリを文章で伝えると、フォームの構成を提案する新しい業務アプリの作成
プロセス管理設定AI承認フローなどの設定を支援する申請・承認業務のアプリ化
アプリ設定レビューAIアプリの設定を社内ルールに沿ってチェックする現場主導のアプリ作成の品質管理

特に使い分けを意識したいのが、検索AIとレコード一覧分析AIです。検索AIは、質問との関連度が高い上位5件ほどのレコードをもとに回答するとされており、「特定の情報や事例を探す」のが得意です。一方、レコード一覧分析AIは一覧画面に表示したデータ全体を対象にするため、「たくさんのレコードから傾向をつかむ」のに向いています(2026年9月時点)。

活用例を読む前に知っておきたいクレジットの考え方

kintone AIは「AIクレジット」の範囲内で利用します。検索AI・レコード一覧分析AI・スレッド要約AIは1回あたり10クレジット、アプリ作成AI・プロセス管理設定AI・アプリ設定レビューAIは1回あたり1クレジットを消費します(2026年9月時点)。

データを読み取る機能はクレジットの消費が大きいため、「何を知りたいか」を具体的にしてから質問するのが上手な使い方です。本記事の質問例も、1回で目的の回答が得られるように具体的な書き方にしています。

kintone AIの有効化の手順や各機能の基本的な操作方法は、kintone AIの使い方ガイドの記事で詳しくご紹介しています。


営業部門のkintone AI活用例

営業部門では、案件管理や日報、提案資料など、kintoneに蓄積されたデータをAIで素早く読み解く使い方が効果的です。

①案件一覧から停滞案件を洗い出す(レコード一覧分析AI)

こんな課題に:案件数が多く、どの案件がフォローできていないのか把握しきれない。営業会議の前に、案件の状況を確認するだけで時間がかかる。

質問例:

  • 「最終更新日が30日以上前で、ステータスが『提案中』の案件を担当者別に整理して、フォローの優先度が高い順に並べて」
  • 「今月受注予定の案件について、見込み金額の合計と、受注に向けた懸念点をまとめて」

効果を出すコツ:先に一覧画面の絞り込みで対象期間や担当部署を指定してから分析すると、目的に合った結果を得やすくなります。「最終更新日」「ステータス」「受注予定日」などのフィールドが入力されていることが前提になるため、日頃の入力ルールをそろえておきましょう。

②過去の提案事例を検索して提案準備を効率化(検索AI)

こんな課題に:似た業種の顧客への提案事例がどこにあるか分からず、毎回ゼロから提案内容を考えている。ベテラン社員のノウハウが共有されていない。

質問例:

  • 「製造業の顧客に、在庫管理の改善を提案して受注した事例を3件教えて。提案内容と決め手も知りたい」
  • 「価格面で失注した過去の案件を教えて。そのときの失注理由と、競合の提示条件が分かれば知りたい」

効果を出すコツ:検索AIの参照先に、案件管理アプリや提案履歴アプリを設定します。検索AIが検索の対象にするのは文字列などのフィールドで、ドロップダウンなどの選択肢系のフィールドは対象外とされています。そのため、「製造業の〇〇社に在庫管理の改善を提案」のように、業種や提案内容、受注・失注の理由を文字列(複数行)のフィールドに文章で記録しておくと、AIが的確に事例を見つけやすくなります。

なお、「失注理由で多いものは?」のように多くの案件を集計して傾向を知りたい場合は、検索AIではなく、①のレコード一覧分析AIで案件一覧を分析するのがおすすめです。

③営業日報から週次の報告をまとめる(レコード一覧分析AI)

こんな課題に:メンバーの日報を読み込んで週次報告にまとめるのに、マネージャーの時間が取られている。

質問例:

  • 「今週の日報から、商談の進捗、顧客から出た要望、課題として挙がっていることを項目別にまとめて」
  • 「今週の日報で、複数のメンバーが共通して挙げている顧客の要望はある?」

効果を出すコツ:日報アプリの一覧を「今週」「自部署」などで絞り込んでから分析します。まとめた内容は報告の下書きとして使い、数値や固有名詞は元の日報で確認してから共有しましょう。

カスタマーサポート部門のkintone AI活用例

問い合わせ対応では、過去の対応履歴を「探す手間」と「傾向をつかむ手間」をAIに任せることで、対応スピードと品質の両方を高められます。

④過去の対応履歴から回答案を探す(検索AI)

こんな課題に:同じような問い合わせが何度も来るのに、過去の対応方法を探すのに時間がかかる。担当者によって回答内容にばらつきがある。

質問例:

  • 「『ログインできない』という問い合わせへの、過去の対応方法を教えて。考えられる原因も知りたい」
  • 「製品Aの返品について、過去にどのような条件で対応した?」

効果を出すコツ:検索AIの参照先に、問い合わせ管理アプリとFAQアプリの両方を設定しておくと効果的です。対応が完了したら「原因」「対応内容」を必ず記録するルールにしておくと、使うほどAIの回答が充実していきます。

⑤問い合わせの傾向を分析して改善につなげる(レコード一覧分析AI)

こんな課題に:問い合わせ対応に追われ、なぜ問い合わせが多いのかという根本的な原因の分析まで手が回らない。

質問例:

  • 「先月の問い合わせを内容ごとに分類して、件数の多い順に並べて。上位3つについては、減らすための改善案も提案して」
  • 「対応に時間がかかっている問い合わせには、どんな共通点がある?」

効果を出すコツ:「問い合わせ種別」を選択肢のフィールドにしておくと、分類がそろい、分析の精度が上がります。分析結果は、FAQの追加や製品マニュアルの改善につなげることで、問い合わせ件数そのものを減らせます。

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総務・人事・経理部門のkintone AI活用例

総務・人事・経理などのバックオフィス部門では、社内からの問い合わせ対応や、申請業務のアプリ化でkintone AIが役立ちます。

⑥社内規程・マニュアルの問い合わせ窓口にする(検索AI)

こんな課題に:「経費精算の締め日は?」「有給休暇の申請方法は?」といった同じ質問が、何度も総務に届く。

質問例(社員が使う想定):

  • 「出張の日当はいくら?申請はいつまでに必要?」
  • 「慶弔休暇は何日取れる?必要な書類も教えて」

効果を出すコツ:社内規程やマニュアルを1つのアプリにまとめ、検索AIの参照先に設定します。規程を改定したらアプリの内容も必ず更新し、古い情報が残らないようにしましょう。回答の最後に「詳しくは総務へ確認を」と案内する運用にしておくと安心です。

⑦申請・承認フローをすばやく作る(プロセス管理設定AI)

こんな課題に:紙やメールで回している申請業務をkintoneに移したいが、プロセス管理の設定が難しそうで後回しになっている。

指示例:

  • 「稟議申請のフローを作りたい。申請者が提出したら所属長が承認し、金額が50万円以上の場合は社長も承認する。差し戻しもできるようにして」

効果を出すコツ:「誰が」「どの条件で」「何をするか」を具体的に伝えるのがポイントです。設定を反映したら、テスト用のレコードで承認や差し戻しの動きを確認してから、本番で使い始めましょう。

⑧備品管理などの小さなアプリをすぐ作る(アプリ作成AI)

こんな課題に:備品の貸出や社用車の予約など、Excelで管理している小さな業務をkintoneに移したいが、アプリを作る時間がない。

指示例:

  • 「ノートパソコンやプロジェクターなど備品の貸出を管理するアプリを作りたい。備品名、貸出者、貸出日、返却予定日、返却済みかどうかを記録したい」

効果を出すコツ:AIが提案したフォームを「たたき台」として使い、必須項目やアクセス権などは実際の運用に合わせて調整します。1回あたりのクレジット消費が少ないため、何度か会話を重ねて理想の形に近づけていくのがおすすめです。

全社・チームで使えるkintone AI活用例

部署を問わず、チームでの情報共有やアプリの管理にもkintone AIを活用できます。

⑨長いスレッドの議論を要約して共有する(スレッド要約AI)

こんな課題に:プロジェクトのスレッドが長くなり、途中から参加したメンバーが経緯を把握するのに時間がかかる。何が決まったのかが分かりにくい。

使い方:対象のスレッドで要約を実行し、「決定事項」「未解決の課題」「次のアクション」を確認します。要約した内容をスレッドに書き込んでおくと、チーム全員が状況をそろえられます。

効果を出すコツ:決定事項は「【決定】」のように分かりやすく書き込む習慣をつけておくと、要約の精度も上がります。なお、ゲストスペースではスレッド要約AIを利用できない点に注意が必要です。

⑩現場が作ったアプリの品質をそろえる(アプリ設定レビューAI)

こんな課題に:現場のメンバーが自由にアプリを作れるようになった結果、フィールド名の付け方やアクセス権の設定がばらばらになっている。

ガイドラインの設定例:

  • 「顧客名や電話番号など個人情報を含むアプリは、閲覧できるユーザーを限定すること」
  • 「日付のフィールド名は『〇〇日』の形式にそろえること」

効果を出すコツ:管理者が社内ルールをガイドラインとして登録しておけば、アプリの作成者が公開前に自分でチェックできます。システム管理者のチェックの負担を減らしながら、現場主導のアプリ作成を安心して広げられます。

活用効果を高めるアプリ設計のコツ

ここまでの活用例に共通して言えるのは、kintone AIの効果はアプリの設計とデータの質で大きく変わるということです。最後に、効果を高めるための3つのコツをご紹介します。

AIに読ませたいデータは1つのアプリにまとめる

マニュアルがあちこちのアプリやファイルに分散していると、検索AIが必要な情報を見つけられません。問い合わせ履歴、社内規程、FAQなど、AIに参照させたい情報はテーマごとに1つのアプリへまとめておくと効果的です。

選択肢と文章を、使うAIに合わせて使い分ける

同じ内容でも「対応中」「対応中です」「処理中」のように入力がばらつくと、レコード一覧分析AIでの分類や集計の精度が下がります。ステータスや種別などはドロップダウンやラジオボタンで選ぶ形にし、フィールド名も誰が見ても意味が分かる名前にしておくと良いでしょう。

一方で、検索AIは数値・日付・選択肢系のフィールドを検索の対象にしないとされています(2026年9月時点)。検索AIで探したい情報は、「件名」「内容」「対応内容」などの文字列フィールドにも文章で書いておくのがポイントです。

質問例を社内で共有してクレジットを節約する

うまく回答が得られた質問は、社内でテンプレートとして共有しましょう。聞き直しが減ってクレジットの節約になるほか、AIを使い慣れていないメンバーでもすぐに活用できるようになります。kintoneのスペースやアプリに「質問例集」を用意しておくのもおすすめです。

kintone AIの標準機能に加えて、より高度な自動化を目指したい場合は、外部の生成AIと連携する方法もあります。詳しくはkintoneとClaude(AI)を連携する方法を解説した記事をご覧ください。また、kintoneのコースごとの料金についてはkintoneの料金について解説した記事で詳しくご紹介しています。

まとめ|自社の業務に置き換えてkintone AIを活用しよう

kintone AIは、営業の案件分析、カスタマーサポートの対応履歴検索、総務の社内問い合わせ対応、申請フローの作成など、幅広い業務で活用できます。ポイントは、「どの業務で」「何を知りたいか」を具体的にしてから質問することです。

まずは本記事の活用例の中から、自社で最も時間がかかっている業務を1つ選び、質問例を参考に試してみてはいかがでしょうか。あわせて、AIが読み取りやすいようにアプリの設計や入力ルールを見直すことで、活用の効果はさらに高まります。

トムスでは、kintoneのアプリ設計から、kintone AIを活かすためのデータ整備、社内での活用ルールづくりまでサポートしています。「自社の業務でどう使えばいいか相談したい」「AIを前提にアプリを見直したい」という方は、トムスのサポートチームまでお気軽にご相談ください。

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監修者

中川 豊章

株式会社トムス 代表取締役