業務改善

kintoneの導入の失敗事例と対応策、導入時のポイントを紹介

投稿日:2023年3月30日

業務効率化のためにkintone(キントーン)を導入しても、思うように使いこなせないケースがあります。導入に失敗してしまうと、職場のモチベーションが低下する原因にもなるため、事前に必要な準備を整えておくことが大事です。

あらかじめ想定される失敗については、対応策を把握しておくことでトラブルを避けられるでしょう。この記事では、kintoneの導入時に失敗しやすい事例や成功させるためのポイント、対応策などを詳しく紹介します。

kintoneは本当に使えないの?

kintone(キントーン)はサイボウズ株式会社が提供している業務改善プラットフォームであり、部署間で散在しているデータなどを一元管理して、業務効率化を図るためのツールです。従来のシステム開発とは異なり、導入してから運用と改修を続けていくなかで精度を高めていくものなので、事前に関係者の理解を深めておく必要があります。

導入に失敗してしまいやすいのは、kintoneそのものが使えないというよりも、どのようなツールであるかをよく把握していなかったため、イメージと違っていたというケースが多いといえるでしょう。導入に必要な予算の確保や上司・他部署・取引先などへの説明、運用担当者への適切なフォローなどの準備が不足していると失敗しやすくなります。

kintoneには、すべての機能を30日間使える無料トライアルが設けられているので、実際に操作性や機能を試しながら、関係者にどのような活用ができるのかを説明していく必要があります。また、現場担当者の意見などにも耳を傾けながら、どのように業務へ活かしていくのかを検討してみましょう。

kintoneの導入において、さらに詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてみてください。

kintoneを使いこなすのが難しい!従来のシステム開発との違い、評判を解説

kintoneの導入失敗事例

kintoneの導入に失敗してしまう原因はさまざまですが、いくつか共通する点があります。ここでは、導入時によく起こりがちな失敗を3つ紹介します。

初めから完璧を求めすぎてしまい失敗

kintoneは手軽に導入できるサービスですが、初めからイメージ通りの運用ができるわけではありません。すぐに業務効率化につなげることを目標としていると、途中で挫折してしまいがちです。

これまでの業務フローを見直すだけでも手間がかかるものですが、新しいツールを導入するとなると、現場の理解や協力を得るために時間がかかる部分があるでしょう。kintoneはコツコツと改修を重ねて、現場にとって使いやすいものに改良していくツールです。

そのため、中長期的な取り組みとして導入していかなければ、運用に行き詰まりやすくなるので気をつけておきましょう。

現場の声が反映されずに失敗

kintoneに限らず、どのようなツールであっても、最終的には現場で利用する人の理解や納得が得られなければ活用することは難しくなります。効率的なツールを導入したとしても、「入力する項目が多い」「操作方法がわからない」と現場担当者が感じてしまえば、正しく運用されないといった事態を招きかねません。

特に情報の入力作業などが多いと、現場の不満が溜まりやすくなるため、業務効率化と担当者の負担のバランスを取るように意識しておきましょう。完璧な仕組みを整えてから運用を始めるというよりも、現場の声を交えながら少しずつ使いやすい仕組みに改良していくことが大事です。

導入担当者がうまくアプリを扱えなくて失敗

kintoneの大きな特徴として、手軽にアプリを作成できる点が挙げられます。しかし、実際に利用する人のことを深く考えずにアプリを作成してしまうと、後から問題が起こることもしばしばあるでしょう。

導入する側としては業務効率化のためにアプリを作ったとしても、それを実際に利用する側からすれば「期待はずれ」といった感想を持たれてしまうことがあります。そうした状態に陥ると、導入担当者のモチベーションが低下し、結局運用がうまくいかないことがあるでしょう。

社内だけで問題の解決が難しいときは、豊富な専門知識や導入実績を持った外部のサポートを受けるのも一つの方法です。特に中小企業ではリソースが限られているので、必要に応じて外部の協力を仰いで、第三者の意見を交えながら導入を進めるほうがスムーズだといえます。

kintoneを使いこなすのが難しい!従来のシステム開発との違い、評判を解説

kintoneの導入を成功させるには?

失敗しやすいポイントを踏まえたうえで、導入を成功させるコツを押さえておけば、スムーズに仕組みを構築していけるでしょう。kintoneの導入を成功させるコツを解説します。

予算をあらかじめ把握しておく

kintoneをスムーズに導入させるには、まず予算がどれくらい必要であるかを把握しておきましょう。導入や運用にかかるコストを把握しておくことで、費用対効果をきちんと検証できるはずです。

kintoneには2つのプランが用意されており、それぞれの違いは以下のとおりです。

プラン名 スタンダードコース ライトコース
料金(月額・1ユーザーあたり) 1,500円

(年額17,640円)

780円

(年額9,170円)

連携機能 ×
アプリ数 最大1,000個 最大200個
スペース数 最大500個 最大100個
容量 5GB×ユーザー数 5GB×ユーザー数
対応言語 4言語対応 4言語対応
スマートフォン対応 iPhone、Android iPhone、Android
サポート体制 メール・電話によるサポート メール・電話によるサポート

上記のように、プランの違いによって利用可能なアプリ数やスペース数、外部連携機能などが異なります。一方、どちらのプランもディスク容量や対応言語、サポート体制などに違いはありません。

事業規模や実際に利用する人数などを踏まえたうえで、どちらのプランが適しているかを検討してみましょう。

何を目的として導入するのかあらかじめ決めておく

kintoneを導入する際は、どのような目的で利用するのかを事前に決めておくことが大切です。kintoneの主な機能として、以下のものが挙げられます。

  • アプリ作成機能(案件管理・問い合わせ管理・タスク管理・交通費申請など)
  • レポート機能
  • スペース機能
  • 拡張機能(プラグイン・外部サービス連携など)

kintoneの大きな特徴は、業務改善に合わせたさまざまなアプリが用意されており、さらに必要なアプリを独自に作成できることです。たとえば、案件管理のアプリを使えば、顧客ごとにやりとりの流れや活動履歴などを一目で把握できるでしょう。

集約したデータをレポートとしてまとめることができたり、スペースと呼ばれる機能を活用すれば、メンバー間のコミュニケーションを活性化させたりできます。また、必要に応じて拡張機能を用いることで、より効率的な運用が行えるでしょう。

kintoneにはさまざまな機能が備わっているため、導入の段階で利用目的をきちんと決めておかなければ、効果的な運用が難しくなります。導入にあたっては、自社が抱える課題などを明らかにしたうえで、必要な機能を整理しておきましょう。

デザイン性を求めるのであればシステム担当者も必要になる

kintoneを導入すること自体は手軽に行えますが、デザイン面を変更するのであればCSSといったプログラミングの知識が必要です。基本的なデザインのまま使うのか、自社オリジナルのアプリとして改良する必要があるのかで作業は変わってきます。

仮に、アプリのデザインなどにこだわりを持つのであれば、社内にシステム担当者を配置するか、外部の専門家にサポートを依頼する必要があるでしょう。どの範囲まで運用を行うのかによって、準備に違いがある点を押さえておくことが大事です。

まとめ

kintoneは業務改善プラットフォームであり、上手に運用することで自社が抱える課題の解決につなげられます。現場の声も取り入れながら導入を進めることで、働き方改革の実現にもつなげていけるでしょう。

一方で、どのような目的でkintoneを利用するかを決めておかなければ、導入をしてから運用に行き詰まってしまうこともあります。kintoneの機能や何を解決できるかを踏まえたうえで、活用方法をよく検討してみましょう。