SHIZUOKA cloud lab地方と中小企業に特化した
DX戦略パートナー企業です。
SHIZUOKA cloud lab

COLUMお役立ちコラム

2026年6月8日

Salesforceが高いと感じたら|CRMコストを削減する5つの方法と代替ツールの選び方

「Salesforceの更新時期が近づくたびに、この費用は本当に見合っているのだろうか……」と感じたことはないでしょうか。

Salesforceは世界No.1のCRMとして高い機能を持つ一方、月額料金・アドオン費用・導入支援費用・保守費用が積み重なり、中小企業にとっては大きな固定費になりがちです。

しかし、「高い=すぐに乗り換えるべき」とも限りません。まず現在のSalesforce環境を最適化するだけでもコスト削減は可能ですし、構造的にコストが見合わない場合には乗り換えが最善策になることもあります。

本記事では、Salesforceのコストに課題を感じている中小企業の方に向けて、「今のSalesforceを最適化する方法」と「代替ツールに乗り換える方法」の両面から、CRMコスト削減の選択肢を整理します。

>>トムスにCRMのコスト削減を相談する

【この記事で分かること】

  • Salesforceの費用が「高い」と感じる原因の構造的な整理
  • 乗り換えなくてもできる3つのコスト最適化手法
  • 乗り換えを検討すべき「3つのサイン」
  • Zoho CRMに乗り換えた場合の3年間コスト比較シミュレーション
  • 補助金を活用して乗り換えコストを抑える方法

Salesforceが「高い」と感じる5つの原因

Salesforceのコストが膨らむ原因は、月額のライセンス料金だけではありません。「見えるコスト」と「見えにくいコスト」の両方を整理してみましょう。

①ライセンス費用が高額——中規模以上の運用ではEnterpriseが必要に

Salesforce Sales Cloudには、Starter Suite(月額3,000円/人)やPro Suite(月額12,000円/人)といったエントリー〜ミドル向けプランも用意されています。Pro Suiteは2024年以降に強化されたプランで、基本的なワークフロー自動化や売上予測などの機能が含まれており、シンプルな営業管理であればこのプランで対応できるケースもあります。

ただし、外部システムとのAPI連携、高度なレポート・ダッシュボード、複雑な権限管理やテリトリー管理を行うにはEnterprise(月額21,000円/人)以上が必要になります。中小企業でも営業プロセスを本格的に管理しようとすると、結果的にEnterpriseを選ぶケースが多いのが実情です。

さらに、Enterpriseを選んだ場合、年間契約の期間中はダウングレードができません。次の契約更新時に交渉することは可能ですが、少なくとも1年間はそのコストが固定されます。「最初は安いプランで始めて様子を見よう」と考えている場合は、アップグレードのタイミングを慎重に判断することが大切です。

②使っていない機能・未活用ライセンスへの支出

全社員にSales Cloudのフルライセンスを付与しているが、実際にCRMを日常的に使っているのは営業チームだけ——という状態は意外と多く見られます。レポートを閲覧するだけのユーザーや、データ入力のみを行うユーザーにも一律でフルライセンスの費用がかかっている場合、その差額は「無駄なコスト」と言えます。

③アドオン・オプションの積み重ね

Salesforceは基本ライセンスに加えて、AI機能(Agentforce)、MA(Account Engagement)、高度なサポート(Premier / Signature Success Plan)、追加ストレージなどのオプションを契約するたびに費用が加算される構造です。個々のオプションは「月額数千円〜」や「利用量ベースの課金」となっていますが、積み重なると年間で数百万円規模の追加コストになることがあります。

④カスタマイズの外注費用

Salesforceの高度なカスタマイズにはApex(独自プログラミング言語)やVisualforceの知識が必要です。社内にSalesforceエンジニアがいない中小企業では、設定変更やレポートの追加など比較的簡単な作業でも外部パートナーに依頼することになり、そのたびに数万〜数十万円の費用が発生します。この「ちょっとした変更のたびにかかる外注費」は、年間を通すと無視できない金額になります。

⑤年間契約期間中の変更ができない契約構造

Salesforceの契約は年間単位が基本であり、契約期間中のエディション変更やユーザー数の削減は原則として認められていません。つまり、「今年はEnterprise×30人で契約したが、途中で20人に減らしたい」と思っても、次の契約更新(アニバーサリー)まで待つ必要があります。

なお、契約更新のタイミングであれば、エディションの変更やライセンス数の削減についてSalesforceの営業担当者と交渉することは可能です。ただし、「とりあえず多めに契約しておこう」という判断をすると、少なくとも1年間はそのコストが固定されるリスクがあることに変わりはありません。

コストの全体像を整理する

コスト区分内容年間の目安(30人利用の場合)
見えるコストライセンス費用(Enterprise × 30人)約713万円
見えにくいコスト①AI機能(Agentforce等)のオプション費用数十万〜数百万円(構成により大きく変動)
見えにくいコスト②Premier Success Plan(任意加入。ライセンスの約30%)約214万円(加入した場合。標準Standardプランは無料)
見えにくいコスト③カスタマイズ外注費・保守運用費約100〜300万円
年間の実質コスト合計(Premier加入の場合)約1,100〜1,500万円程度

※上記は一般的なケースの参考試算です。AI機能(Agentforce)は2026年現在、ライセンス体系の再編が進んでおり、料金モデルが従来の「月額/人」から「利用量ベース」に移行しつつあります。最新の費用はSalesforce公式にご確認ください。また、Success Planは標準(Standard)プランであれば無料です。上記はより手厚いサポートを求めてPremierプランに加入した場合の試算です。

ライセンス費用だけを見て「年間700万円くらい」と思っていたものが、実際にはその2倍近い金額になっているケースは珍しくありません。まずは自社のSalesforceにかかっている「本当のコスト」を棚卸しすることが、コスト削減の第一歩です。

まず試したい——乗り換えなしでコストを最適化する3つの方法

乗り換えにはデータ移行や社内の再教育など一定のコストと手間がかかります。まずは、現在のSalesforce環境のまま削減できるコストがないか確認してみましょう。

方法1:ライセンスの棚卸しと適正化

全ユーザーにSales Cloudのフルライセンスが本当に必要かを確認します。CRM機能をフルに使わないユーザー(管理部門、経営層など)には、より安価なLightning Platformライセンス(フルライセンスの約40%安)や、情報共有のみのChatter Free(無料)を適用できる場合があります。

たとえば30人中10人をPlatformライセンスに切り替えるだけで、年間で100万円以上の削減が見込めるケースもあります。

方法2:使っていないアドオン・オプションの解約

契約しているが実際にはほとんど活用されていないオプションがないか、一つひとつ確認しましょう。特に多いのが「導入時にセットで契約したが使われていないMA機能」「ほぼ閲覧されていない追加ストレージ」「一度も利用していないSuccess Planの上位プラン」です。

契約更新のタイミングに合わせて棚卸しを行い、不要なオプションを解約するだけで、年間数十万〜100万円単位のコスト削減につながることがあります。

方法3:基本的なカスタマイズの内製化

レポートの作成、ダッシュボードの設定、項目の追加といった基本的な設定変更は、Salesforceの管理画面(設定メニュー)からノーコードで行えるものも少なくありません。Salesforceが無料で提供している学習プラットフォーム「Trailhead」を活用すれば、社内のメンバーが基本操作を習得することも可能です。

「すべての設定変更を外注に頼っている」状態から「基本的な変更は社内で対応し、高度な開発のみ外注する」体制に移行するだけで、年間の外注費を大幅に圧縮できます。

これら3つの最適化を組み合わせることで、乗り換えなしでも年間100〜300万円程度のコスト削減が見込めるケースがあります。まずは自社の契約内容を改めて確認してみてはいかがでしょうか。

それでも合わないなら——乗り換えを検討すべき「3つのサイン」

前述の最適化を行った上で、それでもコストが見合わないと感じる場合は、CRMそのものの乗り換えを検討するタイミングかもしれません。以下の3つのサインに当てはまるかチェックしてみてください。

サイン1:使っている機能の8割が「基本CRM/SFA機能」だけ

日常的に使っている機能が「顧客管理」「商談管理」「活動記録」「レポート」程度であれば、Salesforce独自の高度な機能(複雑なApexカスタマイズ、AppExchangeの拡張アプリ、大規模組織向けのテリトリー管理など)の費用を払い続ける必要があるか、再検討の余地があります。これらの基本機能は、Zoho CRMをはじめとする他のCRMでも十分にカバーできます。

サイン2:IT専任者がいない・外注依存から抜け出せない

設定変更やカスタマイズのたびに外部パートナーに依頼し、費用と時間がかかる → 社内にノウハウが残らない → また次も外注する——この悪循環が続いている場合、Salesforceの運用体制が自社の規模に合っていない可能性があります。ノーコードでカスタマイズできるCRMに乗り換えることで、この構造的な問題を解消できる場合があります。

サイン3:CRMの年間コストが営業利益を圧迫している

CRM/SFAの年間コストの適正水準は、企業規模や業種によって大きく異なります。あくまで一般的に言われる目安として、「CRMを利用する営業1人あたりの年間粗利の3〜5%以内」という考え方があります(SaaS業と製造業では利益率が全く異なるため、この数字を一律に当てはめることはできません)。自社の利益構造を踏まえた上で、CRMコストの負担感を客観的に評価してみましょう。

3つのサインのうち2つ以上に当てはまる場合は、代替CRMへの乗り換えを具体的に検討する価値があります。

>>トムスにCRMのコスト削減を相談する

代替CRMの選択肢——Salesforceから乗り換えるなら何が有力か

乗り換えを検討する場合、どのCRMが代替候補になるのでしょうか。主要な選択肢を整理します。

Zoho CRM——コスト最大約76%削減。中小企業の乗り換え先として最有力

Zoho CRMは、Salesforceと同等の主要CRM/SFA機能を、大幅に低いコストで提供しています。Enterprise同士で比較すると、1ユーザーあたり月額15,000円の差があり、50人で3年間利用した場合のライセンス差額は約2,700万円に上ります。

AI機能(Zia)がエンタープライズプラン以上に標準搭載されており、追加費用なしで売上予測や異常値検出などのAI機能を活用できる点もSalesforceとの大きな違いです。ただし、SalesforceのAgentforceが「AIエージェントが自律的にタスクを遂行する」方向に進化しているのに対し、ZohoのZiaは「予測・分析・レコメンデーション」が中心です。高度な自律型AIが必須でなければ、Ziaの機能で中小企業の実務は十分にカバーできます。

また、Zoho CRMは月間契約にも対応しているため、繁忙期だけユーザー数を増やし、閑散期には減らすといった柔軟なコスト管理が可能です。Salesforceの年間契約では実現しにくい運用です。

ドラッグ&ドロップ中心のノーコードカスタマイズにも対応しており、IT専任者がいない中小企業でも運用しやすい設計になっています。

SalesforceとZoho CRMの詳しい機能・料金比較については、SalesforceとZoho CRMを徹底比較した記事で解説していますので、あわせてご参照ください。

乗り換え時の注意点:SalesforceのAppExchange(外部アプリマーケット)で利用している帳票作成ツールや名刺管理ツールなどの連携アプリがある場合、それらもZoho対応版への変更やZoho Marketplace内の代替アプリへの切り替えが必要になります。この点を見落とすと移行後に「以前使えていた機能が使えない」という事態になりかねないため、事前の棚卸しが重要です。

その他の代替候補

公平な比較のために、Zoho CRM以外の主要な代替候補も簡潔に紹介します。

ツール名月額費用の目安特徴向いている企業
HubSpot CRM無料〜月額1,200円/人〜無料プランあり。マーケティング機能が充実。有料プランへの移行時にコストが上がる点に注意マーケティング主導の営業スタイルの企業
kintone月額1,000円/人〜CRM専用ツールではなく業務アプリ構築基盤。自社の業務フローに合わせてゼロから設計する必要ありCRM以外の業務アプリも同時に構築したい企業
GENIEE SFA/CRM月額3,450円/人〜国産。直感的なUIで定着率が高い。導入サポートが手厚い国産ツールのサポート体制を重視する企業

代替CRM選定の3つの判断基準

どのCRMに乗り換えるにしても、以下の3点は必ず確認しておきましょう。

  • 必要な機能を本当にカバーしているか:Salesforceで「実際に使っている機能」をリストアップし、代替CRMでそれぞれ対応できるかを確認します。「Salesforceの全機能」ではなく「自社が使っている機能」で比較するのがポイントです。
  • 現場が使いこなせるか:無料トライアルを活用し、実際に現場のメンバーに触ってもらいましょう。機能が優れていても、現場で入力されなければCRMは機能しません。
  • トータルコストで比較しているか:ライセンス費用だけでなく、初期構築費用・データ移行費用・保守費用を含めた「3年間のトータルコスト」で比較するのが鉄則です。

【シミュレーション】Zoho CRMに乗り換えた場合の3年間コスト比較

ここでは、SalesforceからZoho CRMに乗り換えた場合の3年間のトータルコストを、具体的にシミュレーションします。

前提条件

  • 利用人数:30人
  • 現在のSalesforce環境:Enterprise + AIオプション + Premier Success Plan
  • 乗り換え先:Zoho CRM エンタープライズ(AI機能Zia標準搭載)
  • 移行支援:導入支援パートナーを利用

3年間のトータルコスト比較

費用項目Salesforce継続(3年間)Zoho CRM乗り換え(3年間)
ライセンス費用2,268万円
(21,000円×30人×36ヶ月)
518万円
(4,800円×30人×36ヶ月)
AI機能費用(参考値)数百万〜1,296万円
(従来体系で月額12,000円/人の場合。Agentforceでは料金モデルが異なる可能性あり)
0円(Zia標準搭載)
サポート費用0〜約1,164万円
(Standard:無料 / Premier:ライセンスの約30%×3年)
約130万円
(年間44万円×3年の想定)
初期構築・移行費用0円(継続のため不要)約150〜300万円
(データ量・活動履歴の複雑さにより変動)
3年間の合計約2,138〜4,728万円
(AI・サポートの構成による)
約948〜948万円

※上記は参考試算です。Salesforce側のAI費用は従来のライセンス体系に基づく参考値であり、2026年現在のAgentforceでは料金モデルが変更されている可能性があります。Success Planは標準(Standard)プランであれば無料のため、Salesforce側のコストは構成によって大きく変動します。Zoho CRMの移行費用は、メール履歴や活動履歴の紐付け移行など、データ構造の複雑さによって150万円を超える場合もあります。正確な見積もりは、移行支援パートナーに事前相談されることをおすすめします。

いずれの構成で比較しても、ライセンス費用だけで年間1,000万円以上の差が生まれるため、移行費用を初年度に投じたとしても1年目の時点でSalesforce継続より安くなります。

「コスト削減分」を何に使えるか

仮にライセンス費用の差額だけで見ても、3年間で約1,600万円のコスト差があります。AI機能やサポート費用を含めた場合はさらに大きな差になります。この資金があれば、たとえば以下のような投資が可能です。

  • 営業人材の新規採用:1〜2名分の年間人件費(3年間)
  • マーケティング施策の強化:Web広告やコンテンツ制作への投資
  • AI活用の推進:生成AIツールの法人プラン導入や社内研修
  • 他の業務システムの刷新:会計・人事・プロジェクト管理ツール等

CRMのコスト削減は、単なる「節約」ではなく、「浮いた資金をどこに再投資するか」という経営戦略の問題です。

補助金を活用して乗り換えコストをさらに抑える

デジタル化・AI導入補助金(2026年版)の活用

2026年度の「デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)」では、Zoho CRMのクラウド利用料(最大2年分)および導入支援費用が補助対象となる場合があります。通常枠の場合、補助率は1/2(条件により最大2/3)、補助上限額は最大450万円です。

トムスはIT導入支援事業者として登録しており、補助金申請のサポートからZohoの導入・移行支援まで一貫して対応しています。

補助金適用後の自己負担はどのくらいか

前述のシミュレーションにおけるZoho CRMの初年度コスト(ライセンス+移行費用)は約495万円です。このうち補助対象経費に対して1/2の補助が適用された場合、自己負担は約248万円程度に圧縮できる可能性があります。

つまり、「Salesforceをあと1ヶ月分だけ継続するコスト」とほぼ同額で、Zoho CRMへの乗り換えが完了する計算です。

補助金の詳細については、中小企業のAI導入ガイドの記事でも解説していますので、あわせてご参照ください。

まとめ——「高い」と感じたら、まず現状を数字で把握する

Salesforceが高いと感じる原因は、ライセンス費用だけではありません。AI・MAのオプション、Success Plan、カスタマイズの外注費、未活用ライセンスなど、「見えにくいコスト」の積み重ねが実質的な負担を大きくしています。

まずは自社のSalesforceにかかっている「本当のコスト」を数字で把握するところから始めましょう。その上で、ライセンスの適正化やアドオンの見直しで最適化できるのか、それとも構造的にコストが見合わないのかを判断します。

構造的にコストが見合わないと判断した場合は、Zoho CRMをはじめとする代替CRMへの乗り換えが有力な選択肢です。大切なのは「安いツールに変える」ことではなく、「自社に必要な機能を、適正なコストで使う」ことです。

トムスでは、Salesforceのコスト見直しのご相談からZohoへの乗り換え支援まで、一貫して対応しています。「まず話を聞いてみたい」という段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。

>>トムスにCRMのコスト削減を相談する

監修者

中川 豊章

株式会社トムス 代表取締役