SHIZUOKA cloud lab地方と中小企業に特化した
DX戦略パートナー企業です。
SHIZUOKA cloud lab

COLUMお役立ちコラム

2026年4月17日

kintone×AI連携でできることとは?活用方法やおすすめサービスを解説

kintoneを導入したものの、「データは蓄積されているのに、うまく活用しきれていない」「入力や集計の手間をもっと減らしたい」という方は多いのではないでしょうか。

近年、kintoneと生成AIを連携させることで、蓄積データの分析や文章作成の自動化など、業務効率を大幅に向上させる企業が増えています。

本記事では、kintone×AI連携でできることから、代表的なサービス・プラグインの比較、業種別の活用事例、導入手順までを分かりやすくまとめました。

>>トムスのkintone導入支援サービスを詳しく見る

【この記事で分かること】

  • kintone×AIで実現できる業務効率化の全体像
  • kintone AIラボ(サイボウズ公式)の主要機能
  • Smart at AIなど代表的な連携プラグイン・サービスの比較
  • 業種別・業務別のkintone×AI活用事例
  • 導入のステップと注意点

kintone×AI連携とは?注目される背景

kintone単体でできること・できないこと

kintone(キントーン)は、サイボウズ株式会社が提供するクラウド型の業務アプリ構築サービスです。プログラミングの知識がなくても、顧客管理・案件管理・日報管理などの業務アプリをノーコードで作成でき、多くの中小企業で導入が進んでいます。

一方で、kintone単体では「蓄積したデータの高度な分析」「自然言語での情報検索」「文章の自動生成」といった処理には対応していません。データは溜まっているのに活用しきれていない、というのは多くの企業が抱える共通の課題です。

kintoneの基本的な特徴についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。

なぜ今kintone×AI連携が注目されているのか

2023年のChatGPT登場をきっかけに、生成AI技術への注目が一気に高まりました。その後、ChatGPTやClaudeをはじめとする大規模言語モデル(LLM)は急速に進化を続け、2026年現在では文章の要約・生成・翻訳・データ分析といった業務タスクを高い精度でこなせる「実用フェーズ」に入っています。

こうした流れを受けて、サイボウズ自身も「kintone AIラボ」として公式のAI機能を実験的に開発・提供しています。さらに、Smart at AIをはじめとする外部ベンダーのkintone×AI連携プラグインも続々と登場し、選択肢が大きく広がりました。

中小企業にとっては、すでに使い慣れたkintoneの上にAI機能を追加できるため、新しいツールを一から導入するよりも低コスト・低リスクでAI活用をスタートできる点が大きな魅力です。

AI連携で変わる業務の全体像

kintone×AI連携によって効率化できる業務は多岐にわたります。ここで重要なのは、サイボウズ公式のkintone AIラボでできることと、外部プラグインを導入して初めてできることの違いを理解しておくことです。主な活用領域を整理すると、以下のようになります。

活用領域AIがやってくれること対応手段期待できる効果
データ検索自然言語でkintone内のデータを検索kintone AIラボ(公式)情報を探す時間の大幅短縮
レポート作成蓄積データの分析・要約・レポート生成kintone AIラボ(公式)報告書作成の工数削減
アプリ作成AIとの対話でkintoneアプリを自動生成kintone AIラボ(公式)アプリ構築の効率化
文章生成メール文面・議事録・提案書の下書き作成外部プラグイン(Smart at AI等)文書作成時間の短縮
データチェック入力データの異常値・不整合の自動検出外部プラグイン/カスタマイズヒューマンエラーの低減
音声の文字起こし商談・会議の録音を自動でテキスト化外部サービス(Front Agent等)議事録作成の自動化

このように、公式機能は「kintone内のデータの検索・分析・要約」に強く、外部プラグインは「文章生成・外部情報の取り込み・高度なカスタマイズ」に強いという棲み分けがあります。両者を組み合わせることで、データの「入力→蓄積→分析→活用」というサイクル全体を加速させることができます。

kintone AIラボ(サイボウズ公式)の機能と使い方

kintone AIラボとは?主要なAI機能を紹介

kintone AIラボは、サイボウズが公式に開発・提供しているkintone向けのAI機能群です。ただし、完成された製品機能ではなく、あくまで「実験的に公開されている開発中の機能」という位置づけです。ユーザーのフィードバックを取り入れながら改善が進められており、今後機能の追加や仕様変更が行われる可能性があります。

利用を開始するには、kintoneのシステム管理者がkintone AIラボの利用申し込みを行い、管理画面から機能を有効化する必要があります。個々のユーザーが自分で勝手にオンにできるわけではない点に注意しましょう。

2026年4月現在、以下の5種類の機能が公開されています。

機能名概要
AI検索チャット形式でkintone内のデータを自然言語で検索できる
AIアプリ作成AIとの会話を通じてアプリ名やフィールドを提案し、アプリを自動生成する
プロセス管理設定AI承認フローの設計をAIが対話形式でサポートする
スレッド要約AI投稿コメント全体を自動要約する
レコード一覧分析AIレコード一覧の内容をAIが分析・要約する

特に「AI検索」と「レコード一覧分析AI」は、すでにkintoneにデータが蓄積されている企業であれば、すぐに効果を実感しやすい機能です。

一方で、kintone AIラボの機能はkintone内のデータの「探す・まとめる」に特化しています。メール文面の生成、外部Webからの情報収集、高度なプロンプトによるカスタム処理といった「書く・作る」系のタスクには対応していません。こうした用途で活用したい場合は、後述する外部プラグインの導入が必要になります。

kintone AIラボの利用条件と料金

kintone AIラボは、kintoneのスタンダードコースまたはワイドコースを契約中の方が利用できます。ライトコースおよび試用中の方は対象外となるため、現在ライトコースを利用中の場合は、AI活用を見据えたプランの見直しを検討してみてはいかがでしょうか。

利用開始の流れとしては、まずシステム管理者がサイボウズの公式サイトからkintone AIラボの利用を申し込み、管理画面で機能を有効にします。その後、各ユーザーがkintoneの画面上からAI機能を利用できるようになります。

なお、前述のとおりkintone AIラボは実験的に公開されている機能です。利用規約や提供範囲が変更される可能性があるため、最新の対応状況はサイボウズの公式サイトで確認するのがおすすめです。

汎用AIとの違い:自社データを安全に活用できる強み

中小企業がAI導入を検討する際、最も気になるのが「入力した自社データがAIの学習に使われないか」というセキュリティの問題です。

社員が個人のChatGPTアカウントで業務データを入力してしまうと、その情報がAIモデルの学習データに取り込まれるリスクがあります。顧客情報や契約内容が意図せず外部に流出する可能性もあり、企業としては大きな懸念材料です。

この点、kintone AIラボおよび主要な外部プラグイン(Smart at AI等)は、いずれもAIのAPI(プログラム連携用の接続口)を経由してデータを処理する仕組みを採用しています。API経由のデータは、OpenAI・Google等のAIベンダーの利用規約上、モデルの学習には使用されません。つまり、kintone上からAIを利用する限り、自社データが学習に取り込まれる心配がないということです。

さらに、kintone AIラボはkintoneに蓄積された自社データを直接参照して回答を生成するため、「自社の契約情報」「過去の案件履歴」など社内固有の情報に基づいた実用的な回答が得られます。汎用AIでは不可能な「自社専用の回答」を安全に引き出せることが、kintone×AI連携ならではの強みです。

>>トムスのkintone導入支援サービスを詳しく見る

kintoneと連携できるAIプラグイン・サービス比較

kintone AIラボ以外にも、外部ベンダーが提供するAI連携プラグイン・サービスが数多く登場しています。代表的なサービスの特徴を見ていきましょう。

Smart at AI for kintone(ChatGPT連携)

M-SOLUTIONS株式会社が提供する「Smart at AI for kintone Powered by GPT」は、kintoneにChatGPTの機能を組み込めるプラグインです。kintone上のデータを活用したプロンプト(AIへの指示)を設定でき、ボタン一つで文章生成・要約・翻訳などを実行できます。

特徴的なのは、AIに慣れていないユーザーでも、kintone上で自然にAIを使える点です。プロンプトの設定を共有できるため、AIの使い方が上手な人のノウハウをチーム全体で活用できます。無料プランも用意されており、まず試してみたいという企業にも導入しやすいサービスです。

なお、Smart at AIはOpenAIやGoogleのAPIを経由してAI処理を行うため、kintone AIラボと同様に、入力データがAIモデルの学習に使用されることはありません。社内の業務データを安心して活用できる点は、企業導入における大きな安心材料です。

その他の主要連携サービス

Smart at AI以外にも、kintoneと連携できるAIサービスは複数あります。代表的なものを紹介します。

  • きんちゃぼ:kintone上で動作するAIチャットボット。FAQの登録・管理もkintone内で完結するため、社内問い合わせの対応効率化に向いています。
  • Front Agent:商談や会議の音声を自動で文字起こし・解析するAIサービス。kintoneの顧客情報と紐付けることで、対応履歴の自動蓄積が可能です。
  • コムデック 生成AI for kintone:kintone上のデータを活かして要約・分析・予測を自動化できる連携ツール。参照するアプリや出力形式を柔軟に指定できます。

プラグイン・サービスの選び方のポイント

自社に合ったサービスを選ぶためには、以下の観点で比較するのがおすすめです。

比較ポイント確認すべきこと
やりたいこと文章生成がメインか、データ分析がメインか、チャットボットが必要かなど目的を明確にする
導入のしやすさプラグインで簡単に設定できるか、カスタマイズが必要か
料金体系月額固定か従量課金か。無料トライアルがあるか
セキュリティAPI経由でAI学習に使用されない仕組みか。データの保存先・保持期間のポリシーを確認
サポート体制日本語対応、導入支援の有無

迷った場合は、まず無料トライアルがあるサービスから試してみると、自社の業務にフィットするかどうかを低リスクで確認できます。

【業務別】kintone×AI連携の活用事例

ここでは、kintone×AI連携が実際にどのような業務で効果を発揮しているのか、業務別に紹介します。

営業支援:商談記録の自動要約・トークスクリプト生成

営業部門では、商談の記録や報告書の作成に多くの時間を費やしているケースが少なくありません。kintone×AIを活用すれば、商談内容の自動文字起こしと要約が可能になり、報告書作成の手間を大幅に削減できます。

さらに、過去の商談データをAIに分析させることで、成約率の高いトークパターンを抽出し、トークスクリプトとして共有するといった活用も広がっています。特定の営業担当者に依存していたノウハウを、チーム全体で活用できるようになる点が大きなメリットです。

kintoneを活用した営業管理については、kintone活用事例の記事でも詳しく紹介しています。

バックオフィス:申請チェック・データ分析の効率化

経理・総務・人事といったバックオフィス部門では、申請書類のチェックやデータ集計に多くの工数がかかります。kintone×AIを導入することで、申請内容の自動チェック(金額の妥当性、入力漏れの検出など)や、月次レポートの自動生成が可能になります。

例えば、見積書の異常値をAIが自動で検出する仕組みを構築すれば、ヒューマンエラーの防止と確認作業の効率化を同時に実現できます。

カスタマーサポート:AIチャットボットによる問い合わせ対応

kintoneに蓄積されたFAQデータや対応履歴をAIチャットボットと連携させることで、顧客からの問い合わせに自動で回答する仕組みを構築できます。よくある質問への対応をAIに任せることで、担当者はより複雑な問い合わせに集中でき、対応品質の向上と業務負荷の軽減を両立できます。

製造・建設業:原価管理や日報のAI活用

製造業や建設業では、日報データや原価データの管理にkintoneを活用している企業が増えています。ここにAIを連携させることで、日報の自動要約、原価の異常値検出、工事の進捗レポート自動生成といった活用が可能です。

手書き日報をAI-OCRで読み取ってkintoneに自動入力するような仕組みも登場しており、現場のデジタル化を加速する手段としても注目されています。

kintone×AI連携を導入するステップと注意点

導入前に押さえておくべき3つのポイント

kintone×AI連携を成功させるためには、導入前に以下の3点を確認しておくことが大切です。

  • kintoneの契約コース:AI機能の多くはスタンダードコース以上が必要です。ライトコースの場合はプランの見直しを検討しましょう。
  • データの整備状況:AIが正確な回答を出すには、kintone内のデータが整理されていることが前提です。入力ルールの統一やデータのクレンジングを先に行っておくと、導入後の効果が高まります。
  • セキュリティポリシーの確認:外部AI連携サービスを利用する場合は、データの取り扱いポリシーを必ず確認しましょう。特に「API経由でAIモデルの学習にデータが使用されないか」「データの一時保存期間はどのくらいか」といった点は、情報セキュリティ担当者や経営層への説明にも必要になります。kintone AIラボやSmart at AIなどの主要サービスはAPI経由の処理のため学習に使用されませんが、サービスごとに規約は異なるため、個別に確認しておくことが重要です。

導入の進め方(4ステップ)

実際の導入は、以下の4ステップで進めるのがおすすめです。

ステップ1:目的の明確化
「何のためにAIを使うのか」を具体的にします。「商談報告の作成時間を半減させたい」「月次レポートの自動化をしたい」など、解決したい課題を明確にしましょう。

ステップ2:ツール選定
kintone AIラボ(公式)で対応できるのか、外部プラグインが必要なのかを見極めます。データの検索・要約が目的ならまず公式機能から、文章生成や外部情報の取り込みが目的なら外部プラグインの導入を検討しましょう。目的に合ったサービスを比較し、無料トライアルがあれば積極的に試してみるのがおすすめです。

ステップ3:スモールスタート
最初から全社展開するのではなく、特定の部門や業務に絞って小さく始めるのがポイントです。3〜5名程度のチームで2週間ほど試用し、業務にフィットするかどうかを検証します。

ステップ4:効果検証・拡大
導入後は定期的に効果を振り返り、「作業時間がどのくらい削減できたか」「利用者の満足度はどうか」を確認します。成果が出た業務から段階的に利用範囲を広げていくと、無理なく全社展開につなげられます。

よくある失敗と対策

kintone×AI連携の導入で陥りがちな失敗パターンと、その対策を整理しました。

よくある失敗原因対策
AIの回答精度が低いkintone内のデータが整理されていない導入前にデータの入力ルール統一とクレンジングを実施する
導入後に使われなくなる現場の業務フローに組み込まれていない日常的に使う業務(日報・報告書など)から導入し、使わざるを得ない仕組みにする
コストが見合わない目的が曖昧なまま高機能なサービスを契約まず無料プランや公式機能から試し、必要に応じてアップグレードする

まとめ

kintone×AI連携は、すでにkintoneに蓄積されたデータを「宝の持ち腐れ」にせず、業務効率化やデータ活用を一段階上に引き上げるための有効な手段です。

サイボウズ公式のkintone AIラボでデータの検索・分析・要約を効率化し、外部プラグイン(Smart at AI等)で文章生成やカスタム処理を追加するという使い分けが、現時点での基本的な活用パターンです。いずれもAPI経由の処理のため、自社データがAIの学習に使われる心配がなく、中小企業でも安心してAI活用を始められる環境が整っています。

まずは自社の課題を明確にし、スモールスタートで効果を検証するところから始めてみてはいかがでしょうか。kintone×AI連携の導入や活用方法についてお悩みの方は、トムスまでお気軽にご相談ください。

>>トムスのkintone導入支援サービスを詳しく見る

監修者

中川 豊章

株式会社トムス 代表取締役