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COLUMお役立ちコラム

2025年12月12日

kintoneで請求書を作成・発行する方法とおすすめプラグイン

kintoneを活用すれば、請求書の作成業務を大幅に効率化できます。Excelや紙での管理から脱却し、データの一元管理と自動化により、転記ミスや請求漏れを防げるでしょう。

標準機能だけでも請求書作成の基本的な運用ができ、さらにプラグインを活用すれば、より高度な機能の追加も実現できます。本記事では、kintoneを使った請求書の作成方法や、おすすめのプラグインについて詳しく解説します。

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【この記事で分かること】

  • kintoneの標準機能を使った請求書作成の手順
  • 請求書作成におすすめのプラグインと活用方法
  • 実際の導入事例と業務効率化のポイント

 

kintoneの標準機能で請求書を作成する方法

kintoneの標準機能を活用すれば、追加費用をかけずに請求書作成の仕組みを築けます。

この仕組みの中心となるのが「アプリ」です。アプリとは、業務の目的に応じて自由に設計できるシステムで、請求書作成では「顧客管理」「売上管理」「入金管理」「請求管理」の4つのアプリを連携させて活用します。

アプリは1から作ることも、あらかじめ用意されたサンプルアプリをカスタマイズして構築することも可能です。業務の内容や規模に応じて柔軟に対応できるのがkintoneの大きな特長といえるでしょう。

以下では、各アプリの役割や設定項目について解説します。

1.顧客管理アプリ

顧客管理アプリは、請求書の宛先となる顧客情報を管理するための基盤となります。会社名や住所などの基本情報に加えて、顧客ごとの請求締め日を登録しておくと、後続の請求処理をスムーズに行えます

また、同じ会社名でも複数の拠点や部門が存在するケースもあるため、「得意先番号」など一意のIDを付与しておくことが重要です。これにより、請求管理アプリとの連携時にデータの混在を防ぎ、正確な請求先の指定が可能になります。

あわせて、部署名・担当者名・連絡先など、請求書に必要な情報も網羅的に登録しておきましょう。データの入力ミスや重複を防ぐためには、入力ルールや必須項目の設定など、フィールドごとの制御もあらかじめ行っておくと安心です。

■作成例

2.売上管理アプリの作成

売上管理アプリでは、日々の売上を記録し、請求管理アプリで明細として表示される情報を管理します。設定すべき項目は、以下のとおりです。

  • 得意先名・得意先番号(顧客管理アプリと紐づける)
  • 売上日
  • 売上明細
  • 小計
  • 消費税額
  • 請求金額

■作成例

商品によって消費税率が異なる場合は、商品ごとに税区分を選択できる項目を設けましょう。これにより、インボイス制度に対応した適切な請求書の作成が可能になります。

3.入金管理アプリの作成

入金管理アプリは、顧客からの入金を記録し、未入金分を請求書に正確に反映するために欠かせません。基本となる設定項目は、「得意先名」「得意先番号(顧客管理アプリとの紐づけ)」「入金日」「入金額」の4つです。これらの情報を正確に管理することで、過去の未収金や部分入金も把握しやすくなります。

その結果、請求額の計算精度が向上し、請求ミスの防止にもつながるでしょう。

■作成例

4.請求管理アプリ

請求管理アプリは、顧客管理、売上管理、入金管理の3つのアプリの情報を集約し、請求情報を1つにまとめる中核となるアプリです。

管理する項目は、主に以下のとおりです。

請求日請求書を発行した日付
請求先名請求書の宛先となる顧客名
(顧客管理アプリから紐づける)
登録番号(インボイス事業者の場合)インボイス制度に対応する場合の事業者番号
税抜の総売上額/総消費税額/
税込の総売上額
売上管理アプリの情報を紐づける
税率ごとの税込の総売上額・消費税額(インボイス事業者の場合)標準税率10%と軽減税率8%でそれぞれ区別して表示する(売上管理アプリの情報を紐づける)
入金額入金管理アプリの情報を紐づける
繰越金額前回以前の未入金分から入金額を差し引いた金額
合計金額(今回の請求額)当回の請求対象となる金額(総売上額から入金分を差し引き、繰越金額を足す項目)
支払い期限今回の請求を顧客に支払ってもらう期限
請求明細売上管理アプリの情報を紐づける
振込先請求金額を入金してもらう銀行口座、支店名、口座番号を記入

■作成例
作成した請求書は帳票出力も可能ですが、フォームを事前に整えておくことで、見栄えの良い請求書を出力できます。

〇フォームを整えずに帳票出力した場合

〇フォームを整えて帳票出力した場合

帳票出力する際は、出力したい請求情報を開き、右上にある『・・・』から『レコードを印刷』をクリックしてください。

引用:https://jp.cybozu.help/k/ja/app/using_app/print_record.html

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kintoneの請求書作成プラグイン

kintoneの標準機能でも請求書作成は可能ですが、より高度な機能や使いやすさを求める場合は、プラグインの活用がおすすめです。自社や取引先独自のフォーマットへの対応や、ワンクリックでの帳票出力など、業務効率を大幅に向上させる機能が利用できます。

ただし、プラグインの利用にはkintoneのスタンダードコース以上の契約が必要で、プラグイン自体の利用料が発生する場合もあります。そのため、コストと機能のバランスを考慮しながら、自社に最適なプラグインを選択することが重要です。

ここでは、請求書作成に特化した3つのプラグインについて、それぞれの特徴と活用方法を詳しくご紹介します。

【無料で作成できる】請求書作成プラグイン

画像引用:https://www.tis2010.jp/invoice/

コストを抑えつつ請求書作成を効率化したい企業には、無料で使える「請求書プラグイン」がおすすめです。kintone上でワンクリックで請求書を作成できるほか、締め日に応じた絞り込み機能も備えており、運用に即した帳票作成が可能です。

スタンダードコース以上の契約があれば、インストールのみで手軽に利用を始められる点も魅力といえるでしょう。

【無料で印刷のレイアウト設定ができる】印刷設定プラグイン

画像引用:https://www.tis2010.jp/printsettings/

kintoneの標準機能では、画面表示に沿った出力しかできず、レイアウトの自由度が制限されてしまいます。

「印刷設定プラグイン」を活用すれば、改ページや罫線、段組みなどの印刷用レイアウトを簡単に調整できます。請求書としての見やすさや体裁を整えたい企業にとって、コストをかけずに品質を向上させられる有効な手段です。

【柔軟なレイアウト調整ができる】PrintCreator

画像引用:https://www.kintoneapp.com/print-creator

PrintCreatorは、月額7,000円〜(年額プランあり)の有料プラグインです。請求書だけでなく、見積書や日報、報告書など、多様な帳票出力に対応しているのが大きな特長です。

既存のフォーマットをアップロードすれば、現在使用している請求書のレイアウトをそのまま活用できます。細かなレイアウト調整もkintoneと同じような操作感で行え、使いやすさにも配慮されています。

PDF出力はワンクリックで実行でき、複数の請求書をまとめて一括出力することも可能です。加えて、セキュリティ対策も整っており、30日間の無料トライアルで操作性や効果を確認してから導入を検討できます。

請求業務に役立つkintoneのプラグイン

画像引用:https://www.kintoneapp.com/kmailer

kintoneで請求書を作成するだけでも業務効率は向上しますが、請求書の送付まで一元化できれば、さらに便利になります。

「PrintCreator」と同じトヨクモ株式会社が提供する「kMailer」を導入すると、kintone上でメールの作成や送信が可能になります。プランによっては、特定の操作に応じた自動メール送信機能も利用できるため、請求書送付の手間やミスを大幅に削減できるでしょう。

利用には費用がかかりますが、個別送信の作業負担や送信ミスの防止という大きなメリットが得られます。シナリオメールや分析機能も備わっているため、請求書送付だけでなく、メールマーケティングにも活用できる点が魅力です。

請求書の作成でkintoneを活用した事例

ここでは、kintoneを活用して請求管理を効率化した事例をご紹介します。

毎月の請求書作成に時間がかかっているというケースは少なくありません。Excelや手作業での管理では、転記ミスや請求漏れが起こりやすく、経理担当者の負担も大きくなりがちです。

こうした課題を解消する手段として注目されているのが、kintoneを活用した「請求管理アプリ」です。売上情報を登録しておけば、指定した期間分の請求データを自動生成できるため、月次処理がスムーズになります。

以下では、シンプルなカスタマイズで実現できるこの仕組みについて紹介します。

売上情報をもとに請求データを自動生成

まずは、kintone上に「売上情報アプリ」を作成し、各案件の顧客名、金額、請求開始月などを登録します。この情報をもとに、「請求情報アプリ」へデータをコピーする仕組みを構築します。

例えば「3か月分の請求を作成」と指定すれば、売上情報を起点に3か月分の請求レコードを自動生成できるため、繰り返し発生する処理を一括で作成可能です。これにより、月ごとの手動入力作業を大幅に削減できます。

カスタマイズのポイントと活用効果

この仕組みは、JavaScriptによるカスタマイズや専用プラグインを使って構築できます。例えば、ボタンをクリックすると、指定した月数分の請求データを自動作成するスクリプトを実行する方式です。

複雑なロジックを組まなくても、テンプレート化された請求書管理を簡単に実装できるのが特長です。結果として、作業時間の短縮や請求漏れの防止につながり、経理部門はもちろん営業部門でも大きな業務効率化を実現できます。

kintoneで請求書を作成する際に悩んだら

kintoneには標準機能で請求書を作成できる仕組みが用意されており、追加費用をかけずに請求業務を効率化することが可能です。

しかし、自社独自のフォーマットや運用ルールに合わせた帳票を作成したい場合、標準機能だけでは対応が難しいこともあります。そうした場面では、請求書作成に特化したプラグインや外部サービスの導入を検討することで、フォーマットの自由度や送信機能の拡張が可能になります。

とはいえ、プラグインの選定や連携設定には一定の知識が必要となるため、「何から始めればよいか分からない」と不安を感じる方も少なくありません。

そのような場合は、kintoneに精通した専門家に相談するのが確実です。導入から運用までをサポートしている「トムス」にご相談いただければ、自社の課題に最適な仕組みを無理なく構築できます。

「業務に合った請求書をスムーズに作成したい」「手間をかけずに処理を自動化したい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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まとめ

kintoneを活用した請求書作成は、従来の手作業やExcel管理に比べて大幅な効率化を実現できます。標準機能でも「顧客管理」「売上管理」「入金管理」「請求管理」の4つのアプリを連携させれば、請求業務を一元的に管理できます。

さらに、プラグインを導入すれば、自社独自のレイアウトで帳票を出力したり、自動でメール送信を行ったりと、より高度な機能も利用可能になります。実際の導入事例では、売上情報から複数月分の請求データを自動生成する仕組みによって、月次処理にかかる時間を大きく短縮できたケースもあります。

導入や運用に不安がある場合は、kintoneに特化した支援サービスを活用することで、自社に合った最適な請求書作成システムを構築できます。kintoneの導入や運用でお悩みの際は、専門的なサポートを提供するトムスにご相談ください。自社に最適な請求書作成システムを効率的に構築できます。

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