RPA

RPAの導入でこんなに変わる!? 各業界での導入事例をご紹介

投稿日:2020年8月25日

パソコンでの単純作業をロボットに代行させることで、大きな成果を見込めるRPAツール。近年大きな注目を集めるのは、RPAの真新しさだけではなく、目を疑うような実績を出していることも要因です。今回は、業種ごとにRPAの導入事例についてまとめました。

金融業界での導入事例

RPAが大きく注目されるようになったのは、金融業界でメガバンクをはじめとした大手が相次いで導入を表明したのが要因です。最初にRPAの活用が広まった業界ともいわれています。

以下のような例が代表例です。

都市銀行でのRPA活用事例

導入したロボットは1,400台以上、各銀行内に導入支援のためのチームを発足させ、外部のITコンサルタント150人以上を派遣してもらったという、大規模かつ本格的な導入を行った事例です。

その結果、年間100万時間以上のパソコンによる作業時間の削減を成功させたとのこと。代行させたのは主に、金融商品の値動きをはじめとした、顧客が運用している商品の最新情報や状態を収集する作業です。人が行った場合、1日に数十分がかかる、単純かつ膨大な作業を、RPAによって自動化しました。

これにより、本来人員が担うべき顧客折衝や分析、提案といった部分への時間を確保できたうえに、ミスのないリポートを短時間で大量に作成できるようになりました。省力化と、企業価値向上に役立つ導入となったといえます。

都市銀行での大規模導入の事例は、効果にインパクトがある一方で、導入台数や取り組みもかなり大掛かりなため、一部の大企業にしか実施できない大胆な内容と感じられるかもしれません。しかし、RPAの導入はそういった予算や規模がなくとも、大きな効果を発揮することが可能です。

少子高齢化や地方人口減少といった課題を商圏に抱える地方銀行でも、人員の省力化や業務の効率化に成功した事例があります。RPAの導入に取り組んだことで、22,000時間を年間で削減することに成功したとのこと。

また、この導入プロセスでは「業務プロセスをゼロベースで見直して省力化」するというBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)の取り組みで、チャットボット導入も同時に実施。150人分の人員効率化を達成する見込みとのことです。

不動産業界・建築メーカーでの導入事例

事務作業やデータ入力の作業が多い金融業界だけでなく、RPAで代替可能な業務は多業種にわたります。不動産仲介業者や建築メーカーでの事例には、以下のようなものがあります。

不動産仲介業者でのRPA導入事例

毎月の売上集計や勤怠データ、顧客データ、伝票の入力などを手作業で行うことが多く、それらに月間で1,600時間以上を費やしていました。

この入力作業をRPAに置き換えることで、導入した該当業務で73%の効率化を達成。さらに、入力時のミスを減らす効果も得られたため、適用する業務を拡大し、より大きな効率化を行いました。事務作業を行う時間を削減することで、新規企画の立案や勤務時間の短縮といった効果を見込んでいます。

住宅メーカーでのRPA導入事例

この事例では、仲介業や開発業務において、物件の案内・視察時の必要情報を取得する作業をRPAに代行させました。情報が社外秘であるものも多く、これまでは現場から電話を受けたオフィスの社員が、取得と送付を担っていたそう。しかし、オフィスの人員は別業務に追われることも多く、タイムラグが大きくなりがちなのが課題でした。

しかし、RPAの導入によって、現場スタッフがメールをシステムへ送付するだけで、必要な物件情報を1,2分で取得してくることができるように。別社員による業務も不要になったことで、省力化はもちろん、営業時のスピードを上げることができたため、物件紹介などにおける機会損失の回避にも効果があったとのことです。

メーカーでのRPA導入事例

製造業や食品メーカーでは、製造そのものは工場で行うため、パソコン内の業務を効率化するRPAとは縁が遠いと考えがちです。しかし、バックオフィスでの業務には、膨大な数のデータ入力が必要なケースもあります。

電機メーカーでのRPA導入事例

従業員の勤怠管理や作業管理、メールの仕分けや予算管理といった、どの企業でもあるような普遍的な業務をはじめとする、4つの業務で導入試験を実施。600時間以上の効率化を実現する見通しといいます。これらで成果が出たこともあり、より拡大しての導入を検討中とのことです。

また、関連会社にもRPAの導入準備を進めており、RPAの汎用性の高さから幅広い業務について導入が検討されています。

業種を問わずに業務効率化に役立つRPA

RPAの事例についていくつかをご紹介しましたが、実際にはより数多くの企業で導入実績があり、ここで取り上げた以外の業種、業務に適用する事例もたくさんあります。RPAはデータ入力や振り分け、収集など、パソコン上で取り扱う情報を手早く処理するのに優れたツールのため、適用できる業務を選びません。

また、RPAを導入することでできた余剰の業務時間を活用して、業務の質の向上や人員の削減など、会社の経営課題を克服するのにも大きな効果を発揮します。