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Zoho Formsとは?機能・料金・使い方

近年、顧客や取引先などとの接点として、Webフォームの活用が進んでいます。しかし、一からフォームを作成するには専門知識が必要で、時間と手間がかかります。
そこで注目されているのが、Zoho Formsです。Zoho Formsは、プログラミングの知識がなくても、誰でも簡単にWebフォームを作成できるため、導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。
この記事では、Zoho Formsの主な機能や料金プラン、そして実際の使い方まで詳しく解説します。
Zoho Formsとは?
引用:フォームビルダー | 無料オンラインフォームを作成 – Zoho Forms
Zoho Formsは、Webフォームを簡単に作成できるノーコード対応のフォームビルダーです。ドラッグ&ドロップの直感的な操作で、誰でも簡単に問い合わせフォームを作成できます。問い合わせ、申し込み、アンケート、フィードバック、社内申請など幅広い用途に対応しており、業種・業態を問わず利用可能です。
Zoho Formsは、Zoho CRMやZoho SheetといったZohoの他製品だけでなく、Google SheetsやSlackなど外部サービスとも連携できます。フォームで収集したデータを他の業務ツールとスムーズに連携させることで、業務効率を高めることができます。また、フォームの公開方法も柔軟で、リンク共有、Webサイトへの埋め込み、QRコードなど、目的に合わせて選択できます。
Zoho Formsの特徴
では、Zoho Formsには、どのような機能と特徴が備わっているのでしょうか。
Zoho Formsの特徴は以下の通りです。
- ドラッグ&ドロップで直感的にフォームを作成できる
- テンプレートが豊富
- ユーザーにも管理者にもやさしいフォーム設計ができる
- 他サービスとの連携でデータを最大限に活用できる
ここでは、上記の特徴について詳しく解説します。
ドラッグ&ドロップで直感的にフォームを作成できる
Zoho Formsの最大の魅力は、ドラッグ&ドロップで直感的にフォームを作成できる点です。従来のようにHTMLのコーディング知識を必要とせず、誰でも簡単にフォームを作成できます。
例えば、「お問い合わせフォーム」を作成する際には、「名前」「住所」「電話番号」など、あらかじめ用意された項目をマウスで配置するだけでレイアウトが完成します。項目の順番変更や削除も簡単にできるため、用途に合ったフォームがすぐに作成可能です。
テンプレートが豊富
引用:70以上の無料フォームテンプレート | シンプルなHTMLフォームテンプレート| Zoho Forms
Zoho Formsは、用途に応じたテンプレートが非常に豊富に用意されている点も魅力のひとつです。「お問い合わせフォーム」や「商品の注文フォーム」など顧客向けのテンプレートから、「休暇申請」や「従業員満足度調査」など社内業務向けのテンプレートまで、あらゆるビジネスシーンに対応したデザインがそろっています。
さらに、テンプレートは自由にカスタマイズ可能です。背景や色、フォントなどを自社のイメージカラーやブランディングに合わせて変更することもできます。
テンプレートを活用すれば、作業時間を大幅に短縮しながら、オリジナリティのあるフォームを簡単に作成できるでしょう。デザインの知識がない方でもフォーム作成に携われます。
ユーザーにも管理者にもやさしいフォーム設計ができる
Zoho Formsは、フォームを利用するユーザーにとっての使いやすさと、管理者にとってのデータの取り扱いやすさの両方を考慮した設計ができます。
具体的には以下のような設定が可能です。
<入力ミスの注意・入力形式の制限> メールアドレスの確認欄を追加したり、入力できるテキストを制限したりすることで、入力ミスや形式の不一致を事前に防止でき、正確なデータの収集につながります。 | <入力内容に関する指示> 各入力項目に対して「何を入力すべきか」や「入力時の注意点」といった補足説明を個別に設定できます。 これにより、ユーザーは必要な情報をスムーズに入力できます。 また、入力内容の不備や不足を事前に防ぐことで、追加のやり取りの手間を大幅に削減できます。 |
<条件分岐機能> 入力内容に応じて次に表示される質問を変えられます。ユーザーにとって不要な質問をスキップできるため負担が減り、回答率の向上が期待できます。 また、関係のない質問を排除して、関連する質問を深堀することで、精度の高いデータを得られます。 | <必須項目の設定> 必須の入力項目を設定できるため、ユーザーの負担を最小限にします。 また、入力漏れを防ぐことにもつながります。 |
他サービスとの連携でデータを最大限に活用できる
Zoho Formsは、Zohoの他の製品はもちろんのこと、Office 365、Salesforce、Googleスプレッドシートといった外部サービスとも幅広く連携できます。Zoho Formsで得たデータを連携することで、回答に基づいたアクションを簡単に実行できるのが魅力です。
例えば、『Zoho CRM』と連携すると以下のようなことが可能になります。
- フォームで得た情報がCRMにリードとして自動登録される
⇨新規の見込み顧客情報が即座にCRMに反映され、営業活動のスピードアップにつながる - CRMに登録されている顧客が問い合わせをする際、CRMのデータと紐づけてフォームの入力を自動化する
⇨ユーザーの入力が簡素化されるため、ストレスの少ない顧客体験を提供できる - Zoho Formsに入力した内容を基に、『Zoho CRM』のデータを更新する
⇨最新の情報が自動で反映されるため、常に正確かつ最新の顧客データを管理でき、営業やサポートの質が向上する
この他にも、『Zoho Sign』と連携すれば、フォームの入力内容をもとに電子署名用の書類を自動作成・送信することも可能です。契約書や合意書などの文書業務も効率化できます。
Zoho Formsの料金
Zoho Formsは、無料プランを含めて5つの料金プランが用意されています。
プランごとの料金と、おおまかな機能性の違いを下表にまとめました。
無料 | ベーシック | スタンダード | プロフェッショナル | プレミアム | |
---|---|---|---|---|---|
月額料金/円 (年間契約時の月額換算) | 0 | 1,440 (1,200) | 3,600 (3,000) | 7,200 (6,000) | 13,200 (10,800) |
利用権限 | 1人 | 1人 | 10人 | 25人 | 100人 |
フォームの 送信件数 | 500件/月 | 10,000件/月 | 25,000件/月 | 75,000件/月 | 150,000件/月 |
HIPAAコンプライアンス/ePHI | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | 〇 |
項目の暗号化 | ‐ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
高度なルール設定 | ‐ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
高度な分析 | ‐ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
無料プランでも、基本的なフォーム作成機能は備わっています。月あたりの問い合わせ件数が少ない場合や、少人数のチームでの利用であれば十分に活用可能です。
より多機能なフォーム運用を求める場合は、有料プランへの移行が選択肢となります。有料プランでは、セキュリティ対策が強化されるほか、高度な分析機能も利用できるようになります。条件分岐による細かなルール設定や、カテゴリー間でのデータ比較といった機能が利用可能です。
これにより、ユーザーは安心してフォームを運用でき、業務への活用範囲も大きく広がります。
なお、すでにZoho CRMなどのZoho製品を導入している、あるいは導入を検討している場合は、Zoho Formsを含む45以上のアプリをまとめて利用できるパッケージプラン「Zoho One」の活用もおすすめです。コストを抑えつつ、複数業務の連携・効率化を図ることができます。
Zoho Formsの使い方
ここまで、Zoho Formsの料金と機能、特徴を紹介しました。直感的な操作で簡単にWebフォームを作成できると説明しましたが、実際どのようにフォームを作成していくのでしょうか。
Zoho Formsの登録から「お問い合わせフォーム」を作成するまでの流れは、以下の通りです。
- Zoho Formsに登録する
- フォームを作成する
- フォームを分析する
ここでは、上記の流れを順を追って解説します。
【1】Zoho Formsに登録する
まずはZoho Formsの無料アカウントを取得しましょう。「会社名」「メールアドレス」「パスワード」「電話番号(任意)」の4項目を入力すると認証メールが届きます。
メールに記載されている『アカウントの認証』ボタンをクリックすると、画面が切り替わり、すぐにフォーム作成ができるようになります。
【2】フォームを作成する
それでは、簡単なお問い合わせフォームを作ってみましょう。
お問い合わせフォームの作成手順を、画像を交えながら紹介します。
1.『新しいフォーム』をクリック
2.『フォームの種類』と『フォームの件名(タイトル)』を設定する
※「標準」は1ページ内に複数の項目を表示でき、「カード」は1ページに1項目ずつ、複数のステップで構成されます。
今回は「標準」を選択し、件名を「お問い合わせフォーム」にして作成します。
3.左側にあるパーツを組み合わせて、問い合わせフォームの骨組みをつくる
※今回は「名前」「メールアドレス」「電話」「複数行テキスト」の4つのパーツを組み合わせました。
4.配置したパーツの詳細情報を決める
※配置したパーツをクリックすると、詳細情報の設定画面が出てきます。文字のサイズや入力形式など細かな条件指定が可能です。
今回は以下の設定を行いました。
- 名前、メールアドレス、お問い合わせの入力を「必須」に設定
- メールアドレス欄に「確認用」の入力欄を追加
- 電話のラベルを「電話」から「電話(任意)」へ変更
- 電話の入力形式を「数値のみ許可」に設定
- 複数行テキストのラベルを「お問い合わせ内容」に変更
- 複数行テキストの下に「※ご注文に関するお問い合わせには、必ず注文番号をご記載ください。」を表示
5.完成
※すべての設定が完了したら、プレビュー画面で見た目や入力の挙動を確認し、必要であれば調整を加えます。実際に送信テストも行うことで、想定どおりに動作するかをチェックできます。
今回ご紹介したように、基本的なパーツを組み合わせるだけで、簡単にフォームを作成できます。テンプレートの活用や画像の追加、色の変更、入力ルールの設定などのカスタマイズを行えば、より高度で多機能なフォーム作成も可能です。
【3】フォームを分析する
作成したフォームの分析も可能です。
作成したフォームにカーソルを置くと『分析』が表示されるため、クリックします。
すると以下のような画面が出てきて、「フォームが表示された回数」「実際に送信された回数」「エラースコア」「コンバージョン率」「送信地域」を見ることができます。]
この分析は無料プランでも利用可能です。より詳細な分析を行いたい場合は有料プランの利用も検討しましょう。
まとめ
本記事では、Zoho Formsの機能や料金、そして実際の使い方について解説しました。Zoho Formsは、ノーコードで直感的にWebフォームを作成できるフォームビルダーです。ドラッグ&ドロップで簡単に項目を配置できるため、専門的な知識がなくても誰でもフォームをデザインできます。
また、豊富なテンプレートが用意されており、「お問い合わせフォーム」や「アンケート」「申込フォーム」など、さまざまな用途に対応可能です。また、Zoho CRMやOffice 365といった他サービスとの連携もしやすく、予算と目的に合わせて5つのプランから選べるのも魅力でしょう。
Zohoは、フォーム作成以外にも豊富なアプリケーションが用意されています。ただし、その多機能性ゆえに、自社に最適な設定や運用を行うには専門的な知識や経験が求められ、導入のハードルが高くなることも少なくありません。
トムスでは、お客様の業務プロセスを丁寧にヒアリングし、最適なアプリケーションの選定から構築・運用までを一貫してサポートしています。「Zohoのアプリケーションを活用したいがどれを選べばよいか分からない」「Zohoの他ツール連携が上手くいかない」といったお悩みをお持ちの企業様は、お気軽にトムスにご相談ください。