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COLUMお役立ちコラム

2025年8月7日

kintoneとsalesforceの違いは?6つの観点で徹底比較!

業務効率化やデジタル化を進める企業にとって、クラウドサービスの選択は企業のコスト構造や経営戦略に関わる決断です。

kintoneもSalesforceも、業務改善を図るクラウドサービスである点は共通していますが、それぞれに異なる特徴と強みがあります。そのため、どちらを導入すべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「サービスの位置づけ」「できること」「強み」「弱み」「使いやすさ」「費用」の6つの観点からkintoneとSalesforceを徹底的に比較しました。それぞれの特徴を明確に解説しているため、自社に適したツール選定にお役立てください。

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【この記事で分かること】

  • kintoneとSalesforceの根本的な違い
  • それぞれのサービスの強みと弱み
  • 費用対効果を含めた総合的な比較結果

kintoneとsalesforceの違いを比較

kintoneとSalesforceは、どちらも企業の業務効率化を支援するクラウドサービスですが、その位置づけや得意分野には違いがあります。

kintoneは様々な業務課題に対応できる汎用的なプラットフォームとして設計されており、ユーザー自身が必要な業務アプリを作成できる自由度の高さが特徴です。一方、Salesforceは顧客関係管理(CRM)や営業支援(SFA)、マーケティング自動化(MA)といった特定の業務領域に特化した専門性の高いソリューションを提供しています。

以下の表では、この後に解説する6つの観点から、両サービスの特徴を一覧で整理しています。

kintonesalesforce
サービスの位置づけ業務改善プラットフォームCRM/SFA/MAプラットフォーム
できることあらゆる業務の改善マーケティング・営業・顧客管理
強み開発コスト削減・即座の業務改善特定業務領域への特化・高機能AI
弱み機能重複のリスク導入難易度の高さ・高額な費用
使いやすさ直感的操作・多言語対応豊富な機能・グローバル対応
費用月額1,000〜3,000円/ユーザー月額3,000〜60,000円/ユーザー

サービスの位置づけ

kintoneとSalesforceでは、どちらもビジネスの業務効率化を目的としたクラウドサービスです。しかし、そのサービスコンセプトとアプローチ方法、そして対象となる業務範囲には大きな違いがあります。

kintone

kintoneは、業務改善を支援するために設計されたクラウド型プラットフォームです。企業が各々に抱える業務課題に応じて、柔軟に業務アプリをカスタマイズできます

CRM/SFAツールではありませんが、機能の拡張やアプリの追加、外部サービスとの連携によって、営業支援や顧客管理の機能をもたせることも可能です。

>>kintoneで顧客管理を行う方法|アプリの作り方やコツについても解説!
>>kintoneとは?概要や特徴をわかりやすく解説

salesforce

Salesforceは、CRMプラットフォームという位置づけですが、複数のプランがありSFA/MAプラットフォームでもあります。

新規顧客の開拓から、顧客との関係構築、売上拡大にいたるまで、一連の業務プロセスを効率化・可視化するクラウドサービスです。顧客をより深く理解することで、サービスの品質向上にもつながるでしょう。

できること

両サービスは、それぞれの設計思想に基づき、カバーできる業務範囲が異なります。

kintoneは、業種や業務を問わず、幅広い業務プロセスの改善支援が可能です。一方、Salesforceは、あらゆる業種のマーケティング・営業・顧客管理の領域に特化し、効率化を実現します。

kintone

kintoneを利用することで、プログラミング知識がなくても業務アプリを作成できます。例えば、「情報が散在していて確認に手間がかかる」「毎回同じような集計作業に時間が取られている」といった、企業や部署が抱える課題の解決に役立ちます

ドラッグ&ドロップの直感的な設定で、現場の業務に即したツールを開発できるのが特徴です。

プラグイン・連携サービスが300以上、アプリも200以上(※)あり、それらを組み合わせて現場に応じた柔軟なカスタマイズができます。 また、プログラミング言語を用いた、より柔軟なカスタマイズも可能です。 こちらのページからkintoneを体験してみましょう。

※kintoneのプラグイン・連携サービス、アプリの数について:2025年5月28日時点の公式ホームページの情報

salesforce

引用:Salesforce 製品価格一覧 | セールスフォース・ジャパン

Salesforceは、営業や顧客管理を支援するサービスが複数展開されており、自社のニーズに応じて機能を組み合わせて利用できます。また、「製造業」「金融サービス」「自動車」「教育」「小売」といったカテゴリーごとに各業種のプロが開発したパッケージを選択することも可能です。

代表的なSalesforceのサービスには、営業支援と顧客管理を兼ね備えた「Sales Cloud」、カスタマーサポートに特化した「Service Cloud」、マーケティング自動化を実現する「Marketing Cloud」があり、それぞれ異なる役割を持っています。

<Sales Cloud>
顧客管理や商談のデータ管理、営業計画の作成といったセールスに関わる業務を効率化するためのツールです。
AIによるリード予測や成約確度の高い商談の予測、営業メールの文案作成、お客様情報の自動要約、営業電話の記録も可能です。

<Service Cloud>
顧客対応の自動化や履歴管理、チーム連携の最適化を支援するクラウドサービスです。AIによるチャットボットの活用や問い合わせ内容に応じた担当者の自動割り当て、カスタマーコミュニティの作成、商談履歴の参照、見積もりの作成といった業務を自動化でき、サポート品質と対応スピードの両立が可能になります。

<Marketing Cloud>
見込み顧客の関心に合わせて最適なメッセージを届けるマーケティング自動化ツールです。メッセージの自動生成、メール配信の最適なタイミングの提案といった機能により、顧客にパーソナライズされたアプローチを行えます。

キャンペーンの効果分析や購買意欲の高い見込み客の特定機能などにより、マーケティング成果の最大化も支援します。

強み

両サービスは、それぞれ異なる強みを持っているため、導入時には自社の課題や運用体制に最も適したサービスを選ぶことが重要です。kintoneは柔軟性とコスト効率に優れ、Salesforceは専門性と高機能性を重視した構成になっています。

kintone

kintoneの強みは、すぐに業務改善を実行できる即応性と、開発コストを抑えられる点です

プログラミングの知識が不要なため、導入後すぐに業務アプリを作成でき、現場で必要な機能を自分たちで整備できます。また、従来のシステム導入に伴って必要だった開発費用や開発期間、トレーニング・研修などにかかる時間・コストを削減できます。

さらに、日々の業務で出てきた課題やアイデアをすぐにアプリへ反映できる柔軟性も魅力です。現場の声に合わせた継続的な改善が可能になります。

コストを抑えつつ、設計・運用・改善のサイクルをすばやく回すことができ、日々移り変わるビジネス環境にも素早く対応できます。

Salesforce

Salesforceの強みは、マーケティング・営業支援・顧客管理という特定の業務領域に特化している点です。必要な機能があらかじめ備わっており、導入直後から実務に活用しやすい設計になっています。

また、自社の業務内容に応じて、機能や画面構成を柔軟にカスタマイズできるため、自社の業務フローに適したシステムの構築が可能になります。

弱み

一方で、それぞれに注意すべき弱点もあります。事前に理解しておくことで、導入後のトラブルやギャップを防ぎ、スムーズな運用につながります。

kintone

kintoneの弱みは、活用方法を誤ると業務がかえって非効率になる可能性がある点です

kintoneは豊富な拡張機能や追加アプリ、API連携によって柔軟に構築できる一方で、それゆえに機能が重複し、情報の管理場所が分散するリスクがあります。その結果、必要な情報を探すのに時間を要し、業務効率の低下につながってしまうケースもあるのです。

ただし、これらは「どの情報を、どのアプリに集約するか」を事前に設計しておくことで防げます。また、アプリ間で連携をすることで、重複した情報を一元管理することも可能です。

>>kintoneのAPI連携とは?外部サービスとの連携事例を紹介

Salesforce

Salesforceの弱みは、導入や活用のハードルが高い点です

Salesforceは標準機能が備わっているものの、それだけでは自社業務にフィットしない場合も多く、業務内容に応じたカスタマイズや設計が必要になります。そのため、一定のITスキルやSalesforceに関する知識が求められるでしょう。

また、プランの種類が非常に多いため、自社に最適なプランを見極めるのが難しいという課題もあります。多機能であるがゆえに、「使いこなせない」「必要以上の入力項目があり負担になる」といった問題も挙げられるでしょう。

実際にトムスがご支援する中でも、「使いこなせていない」「料金が高い」といった理由でコストパフォーマンスに悩む会社様も見られます。

使いやすさ

使いやすさは、システムの継続的な運用に関わる要素です。操作がわかりやすく直感的であるほど、現場の従業員も戸惑うことなく、日々の業務でシステムを使い続けられます。

両サービスとも、ユーザビリティの向上に継続的に取り組んでいますが、アプローチ方法は異なります。

kintone

引用:Kintone

kintoneは、ノーコードで業務アプリを作成できる点が高く評価されており、使いやすさの面で多くの支持を得ています。実際、kintoneを導入した企業のうち、導入担当者の93%(※)が非IT部門の社員であるというデータからも、専門知識がなくても扱いやすいことがうかがえます

kintoneの導入支援を行うトムスでも、kintoneを導入した企業の担当者さまから「ノーコードでアプリ(システム)が開発できるため、特定の職員しか操作できないといった問題が無くなった。拡張性の高さから様々な業務での活用が進んでいる」との声がありました。

ただし、一部では「使いにくい」と感じるケースも報告されています。詳しくは以下をご覧ください。

>>kintoneの使いにくいという評判は本当?導入するデメリットとは | 株式会社トムス(静岡)kintone開発・導入支援をはじめ中小企業のDXをサポート

対応言語は日本語・英語・簡体字・繁体字・スペイン語・タイ語・ポルトガル語(ブラジル)と、海外拠点のある企業でも共通の操作環境を整えられます。

PCだけでなく、スマートフォンやタブレットからもアクセスできるため、外出先やリモートワーク中でもスムーズに業務を進められます。

※出典元:kintone(キントーン)とは| サイボウズ公式

Salesforce

引用:Salesforce、Starter SuiteとPro Suiteに進化したユーザーインターフェースを導入

Salesforceはブランドカラーを基調とした、シンプルでコントラストのあるUI設計により、視認性の高い画面が特徴です

ただし、こちらも一部のユーザーから「使いにくい」といった声が挙がっています。そのためSalesforceでは、こうしたフィードバックをもとに、UIや機能の改善に向けたアップデートが継続的に行われています。

また、対応言語の種類は非常に多く、日本語や英語をはじめとして、デンマーク語・オランダ語・ドイツ語・ノルウェー語などの多言語に対応しています。グローバルな企業でも、拠点ごとに言語環境を気にせず利用できるのが大きな利点です。

さらに、PCに加え、スマートフォンやタブレットでも利用できるため、多様な働き方に対応できる利便性があります。

費用

導入の際には、 初期費用だけでなく、月額料金や追加機能の利用料、さらにはサポートや保守にかかる費用も含めて総合的に検討することが求められます。

両サービスの料金体系と、それぞれの価格帯について詳しく見ていきましょう。

kintone

kintoneの初期費用は無料で、利用目的や規模に応じて「ライトコース」「スタンダードコース」「ワイドコース」の3つのプランから選べます。

ライトコーススタンダードコースワイドコース
初期費用0円
月額利用料
(1ユーザー)
1,000円1,800円3,000円
ゲストユーザー
(1ユーザー:月額)
700円1,440円1,440円

※税別

それぞれ最小契約数が設定されており、ライトコースおよびスタンダードコースは10ユーザーから契約できるため、小規模なチームや中小企業でも導入しやすい点が魅力です。一方、ワイドコースは1,000ユーザーからの契約となり、大規模企業向けのプランといえます。

ただし、ライトコースはプラグインの追加や外部サービスとの連携はできないため、kintoneの機能を幅広く活用したい場合は、スタンダードコースがおすすめです。

また、社外の取引先やパートナー企業と情報共有を行いたい場合は、ゲストユーザー機能(月額700円〜)を活用することで、安全にデータを共有できます。プラグインや外部連携サービスを導入する場合は、別途費用が発生するケースがある点にも注意が必要です。

kintoneは30日間のお試しが無料なので、まずは使い勝手を確かめてみるのも良いでしょう。無料期間終了後に自動で課金されることがない点も安心です。

>>資料ダウンロード|kintoneお試し期間30日間の間にやるべきこと4選

Salesforce

プラン中小企業向け
(1ユーザー・月額)
Sales Cloud
(営業支援)
3,000円/12,000円/19,800円/39,600円/60,000円
Service Cloud
(業務プロセスの効率化)
3,000円/12,000円/19,800円/39,600円/60,000円
Marketing Cloud
(マーケティング支援)
3,000円/12,000円
※1組織あたり月額180,000または390,000円のプラン有

※税別

Salesforceには初期費用がなく、月額の利用料金は機能やプランによって異なります。料金の目安は、1ユーザーあたり3,000〜60,000円と幅広く、必要とする機能に応じて柔軟に選択できます。

一部のサービス、たとえばMarketing Cloudにおいては、ユーザー単位ではなく1組織単位の課金体系が適用される場合もあります。導入前に自社の利用方法に適した料金体系を確認しておくとよいでしょう。

また、Salesforceにも30日間の無料トライアルが用意されており、実際の操作性や機能を試した上で導入可否を判断できます

>>トムスのkintone支援サービスを詳しく見る

kintoneとsalesforceのどちらを選ぶべきか

ここまで6つの観点から両サービスを比較してきましたが、最終的にはそれぞれの企業の状況や目的に応じて選択することが重要です。

業務改善の対象範囲、予算、社内のITリテラシー、導入・運用体制などを総合的に検討し、自社にとって最適なソリューションを選択しましょう。

kintoneがおすすめsalesforceがおすすめ
・費用を抑えて業務改善したい企業
・様々な業務課題を解決したい企業
・柔軟な運用・最適化を重視する企業
・小さく始めてDXを拡大したい企業
・使いやすさや導入のしやすさも重視する企業
・マーケティング・営業特化の企業
・高機能AIを活用したい企業
・グローバル展開を視野に入れている企業
・専門知識のあるIT担当者がいる企業

kintoneがおすすめな企業

kintoneがおすすめなのは、以下のような企業です。

  • 費用を抑えて業務改善を行いたい
  • 社内に抱えている様々な業務課題を解決したい
  • 運用しながら柔軟に最適化していきたい
  • 小さく始めて、大きくDXを拡大していきたい
  • 社内の使いやすさや導入のしやすさも重視したい

kintoneは自分たちで業務アプリをつくれるため、開発費用やトレーニング費用を抑えつつ、スピーディーに業務改善を進められます。プラグインやAPI連携を活用することで、業務の変化に応じた機能の追加・調整も柔軟に対応可能です。

「いきなりDXを進めると現場が混乱してしまう」といった懸念がある企業でも、kintoneであれば小さく始めて徐々に活用範囲を拡大できるため、段階的な定着が図れます

Salesforceに比べて導入のハードルが低く、慣れてくれば自社の成長や業務レベルに応じて高度な活用へと発展させられる柔軟性が魅力です。

また、kintoneは日本製のサービスであるため、日本企業の業務フローや文化に合ったUIや設計思想が反映されているといえるでしょう。カスタマーサポートも電話での直接対応が可能で、海外製品に多いチャットボットやフォーム対応のみのサポートに比べて、迅速で丁寧な対応が受けられる点も安心材料です。
ただし、より高度なカスタマイズや外部連携には一定の専門知識が必要になります。必要に応じて外部パートナーの支援を受けることも有効な選択肢でしょう。
トムスでは、kintoneの導入に向けた「伴走支援」「アプリ開発」「レクチャー教室」など、企業の課題やニーズに応じた支援を幅広くご提供しています。

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>>kintoneを使ったシステム開発│自社開発と外注それぞれのポイント

salesforceがおすすめな企業

Salesforceは、マーケティングの成果を高めたい企業、営業活動を効率化したい企業、顧客との関係を深めたい企業に特におすすめです

各ソリューションには、業務に必要な機能があらかじめ備わっているため、導入直後から実務で活用しやすいのが特長です。高性能なAIによるリード予測、AIチャットボット、自動メール送信機能など、業務の自動化と効率化に役立つ機能が豊富に搭載されています。こうした仕組みを活用することで、業務負荷の軽減と顧客体験の向上を同時に実現できます。

多言語対応やスマートデバイスからのアクセスにも優れているため、グローバル展開を視野に入れた企業にも適しているでしょう。

まとめ

本記事では、kintoneとSalesforceを6つの観点から詳しく比較しました。

マーケティングや営業、顧客管理など、特定領域に特化した業務改善を進めたい企業には、Salesforceが適しています。

一方、社内で抱えているさまざまな業務課題を解決したい企業は、カスタマイズ性に優れているkintoneがおすすめです。費用を抑えつつも、業務内容に応じて柔軟に機能を追加できるため、CRM・SFA・MAの代替としても使用できます。

どちらのツールも優れた特徴を持っていますが、自社の現状と目標を明確にした上で選択することが成功のコツです。

トムスでは、kintoneの導入をご検討中の方や、より効果的に活用したいという方に向けて支援サービスをご提供しています。ご相談やヒアリングは無料です。「すべての企業に最適とは限らない」という前提のもと、無理な提案はせず、実現可能な範囲を丁寧にご案内しています。

「自社の業務フローにkintoneは使える?」「こんなことはできる?」といった疑問に、わかりやすくご説明します。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

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