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2025年5月15日

Office 365買い切り版(永続ライセンス)完全ガイド:選び方からコスト比較まで

昨今、クラウド型オフィスツールとして定番化したOffice 365ですが、「買い切り版(永続ライセンス)」を検討する企業や個人もまだまだ少なくありません。本記事では、サブスクリプション版との違いを明確にしつつ、初心者の方にもわかりやすいポイントを徹底解説します。

 

1. Office 365買い切り版とは?サブスクリプション版との違い

Office 365には大きく分けて二つのライセンス形態があります。
① サブスクリプション版(Microsoft 365)
毎月/毎年課金し、常に最新の機能・セキュリティアップデートを受け取るモデル。
② 買い切り版(永続ライセンス)
一度購入すれば以降の利用権が永続するが、新機能やメジャーアップデートは含まれないモデル。

図1: 永続ライセンスとサブスクリプションの比較

項目 サブスクリプション版 買い切り版(永続ライセンス)
購入形態 月額/年額 一括買い切り
アップデート 常に最新 購入時の版のみ
サポート期間 契約中 購入後数年(製品ライフサイクルに準拠)
コストメリット 初期費用低、長期割安プランあり 初期費用高、長期的には割高
利用可能アプリ 常に追加・拡充 購入時点のアプリのみ

 

2. 買い切り版を選ぶメリット・デメリット

2.1 メリット

  • 初期費用だけでOK:一度の支払いでライセンスが永続。
  • 予算管理がしやすい:毎月のサブスク費用が発生しない。
  • 長期間利用:数年に渡って同一版を安定的に利用可能。

2.2 デメリット

  • 機能追加なし:新機能やAI機能、Teamsの最新強化などを受け取れない。
  • セキュリティ更新限定:サポート終了後は重要なセキュリティパッチも提供されない。
  • 長期コスト高:3年以上使うとサブスク版より総額が高くなるケースが多い。

 

3. コスト比較シミュレーション

実際に導入を検討する際、多くの方が気になるのが総コストです。以下は3年間にかかる費用のイメージ比較です(個人・法人プラン共通の概算例)。

図2: 3年間コスト比較(買い切り vs サブスク)

サブスクリプション版:月額1,000円 × 36ヶ月 = 36,000円
買い切り版:1ライセンス25,000円(一括)

※あくまで例。実際のプラン・割引適用前の価格です。

 

4. 買い切り版が適するケース

以下のようなケースでは、買い切り版にも一定のメリットがあります。

  • 短期利用:1〜2年で利用を終了するプロジェクトなど。
  • 機能固定:Officeアプリだけ使えればよく、新機能不要。
  • 予算が一括計上できる:年度予算で一度に費用計上したい場合。

 

5. サブスクリプション版が適するケース

逆に、次のようなケースではサブスクリプション版が優れています。

  • 長期利用:3年以上継続的にアップデートを受けたい場合。
  • 常に最新機能:AI文書生成やTeamsの新機能などを活用したい。
  • セキュリティ重視:最新のセキュリティパッチを定期的に受け取りたい。

 

6. 導入フローとチェックポイント

買い切り版/サブスク版にかかわらず、導入時は以下のステップで検討を進めましょう。

図3: 導入検討フロー

  1. 利用目的の明確化
    文書作成中心か、チームコラボ重視か。
  2. 必要機能の洗い出し
    AI機能、オンライン会議、クラウド共有など。
  3. 社内予算・契約期間の確認
    一括予算か、月々計上か。
  4. 価格比較と総コスト試算
    3年/5年の総額をシミュレーション。
  5. 試用・PoC(概念検証)
    小規模導入で運用感を把握。
  6. 本番導入と運用ルール整備
    アップデート/サポート体制の確認。

 

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 買い切り版のサポート期間はどのくらい?
A. 通常、発売から約5~7年程度までセキュリティ更新が提供されます(製品ライフサイクルに準拠)。

 

Q2. サブスク版から買い切り版への変更は可能?
A. ライセンス形態の変更は別途契約が必要となるため、まずはマイクロソフトまたは販売代理店へ相談を。

 

Q3. 大量購入割引はあるか?
A. 法人向けのボリュームライセンスプランでは、一定数以上で割引が適用されます。

 

8. まとめ

「office365 買い切り」で検索上位を狙うには、永続ライセンス版ならではの一括費用・固定機能・社内予算管理と、最新サブスクリプション版の常時アップデート・豊富な機能・セキュリティを比較し、自社の利用条件に最適なプランを選ぶことが重要です。
本記事でご紹介した比較表・コストシミュレーション・導入フローを参考に、ぜひ最適なライセンス形態を検討してみてください。

※記載の価格・期間・サポート情報は執筆時点の一般的な例です。最新情報は公式サイトまたは販売パートナーにてご確認ください。

 

9. 買い切り版導入後の運用と更新戦略

買い切り版を選んだ後も、適切な運用と更新戦略が重要です。永続ライセンス版は新機能が追加されない一方、セキュリティパッチは製品ライフサイクル期間中提供されます。導入後は以下のポイントを押さえましょう。

  • サポート期限の把握:製品発売日から5~7年程度、更新が提供される期間を社内で共有し、期限前後の計画を立てる。
  • 定期的なバックアップ:OneDriveや社内サーバへ定期バックアップを実行し、万一のデータ損失に備える。
  • セキュリティ診断:年1回以上、IT部門または外部ベンダーによる脆弱性診断を実施し、必要に応じて社内ルールを更新。
  • ユーザートレーニングの継続:ライセンスは固定でも、操作方法やベストプラクティスは変化するため、社内研修を半年ごとに実施。

 

10. ケーススタディ:小規模企業での導入例

あるIT系小規模企業(従業員30名)は、初期コストを抑えたい一方でOfficeアプリの安定利用を求めて買い切り版を導入しました。彼らの運用ポイントは以下の通りです。

  1. Office Professional 2021(永続ライセンス)を30ライセンス一括購入
  2. 導入時に全社向け研修を実施(3時間×3回)
  3. OneDrive は個人利用のみ許可、共有ファイルは社内NASで管理
  4. Teams は使用せず、代わりに既存のチャットツールと併用
  5. サポート期限が切れる2年前からサブスクリプション版の移行検討を開始

結果として、初年度のライセンス費用はサブスク比で約50%削減。社内IT担当者は「永続版の安定性と予算管理のしやすさが大きなメリット」と評価しています。

 

11. 今後の検討事項とサブスク移行タイミング

買い切り版のサポート期限が近づいたら、以下の検討を行いましょう。

  • 機能要件の再評価:AI翻訳、共同編集、最新テンプレートなど、新機能の必要性を洗い出す。
  • コスト試算の再確認:買い切り版更新コストとサブスク版の継続費用を比較し、ベストな選択を行う。
  • ユーザー数の見直し:現在および将来のライセンス必要数を把握し、適切なプランを選択。
  • PoC(概念実証)の実施:新規機能を限定ユーザーで試験運用し、正式移行前に課題を抽出。

 

12. まとめと最適プランの選び方

「office365 買い切り」を選ぶ際は、一括費用によるコスト管理のしやすさと、機能固定による安定利用がメリットですが、長期の機能追加やセキュリティ更新が受けられない点はデメリットです。
短期・固定用途で安定運用を優先するなら買い切り版、常に最新機能やクラウド連携を活用したいならサブスク版を選ぶのが得策。
本記事の比較表・コストシミュレーション・導入フロー・運用ポイントを参考に、自社の利用ケースに合った最適プランを見つけてください。