IT点呼と遠隔点呼の違いを比較

2022年4月1日からはICT機器を利用した「遠隔点呼」制度が開始されました。

遠隔点呼は自動車運送事業者が要件を満たす機器やシステムを使用して、遠隔地の拠点間で点呼を行う制度です。従来のIT点呼は安全や利便性が優れている営業所でのみ実施されていましたが、遠隔点呼は要件を満たせば全ての営業所で導入可能です。遠隔点呼制度の開始に伴い、従来のIT点呼制度も利用できますが、遠隔点呼とは別の制度として整理する方が良いでしょう。

この記事では、IT点呼と遠隔点呼の違いについて紹介します。

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IT点呼と遠隔点呼の違い

遠隔点呼は、トラックやバス、ハイヤー、タクシーなどの自動車運送業者が、特定の機器やシステムを使って、遠く離れた場所でも点呼を行う制度です。

従来のIT点呼は、安全な運送と旅客の利便を確保するために、優れた取り組みを行っている営業所でのみ実施されていました。

一方、遠隔点呼は、要件を満たせばどの営業所でも実施できる制度です。つまり、営業所が開設されてから3年未満でも、遠隔点呼を導入することが可能です。

なお、遠隔点呼制度が導入されましたが、従来のIT点呼制度も引き続き利用できます。遠隔点呼とIT点呼は、別々の制度として整理するほうがわかりやすいでしょう。

IT点呼と遠隔点呼の範囲の比較

IT点呼と遠隔点呼の違いについてお伝えします。

IT点呼を実施できる範囲

IT点呼の実施範囲やルールについて説明します。

IT点呼の実施範囲は、Gマークの有無によって異なります。Gマークの認定を受けている場合と、受けていない場合では、いくつかの制約が存在します。

Gマークありの場合は、営業所間の点呼、営業所とその営業所に属する車庫間の点呼、車庫とその営業所に属する他の車庫間の点呼が可能です。一方、Gマークなしの場合、営業所と当該営業所に属する車庫間の点呼、営業所の車庫と当該営業所の他の車庫間の点呼が可能です。

なお、IT点呼は、通常の営業日内で連続する16時間以内に実施する必要があります。ただし、同じ営業所内の車庫間の場合は制限がありません。

Gマークの認定を受けていなくてもIT点呼を導入することは可能ですが、Gマークの認定を受けている場合に比べると、制限が少しあることを認識しておきましょう。IT点呼による事業効果を最大化するためには、Gマークの認定を受けている方が有利です。

これらの範囲と制約に従って、効果的にIT点呼を活用することが大切です。

Gマークとは?認定事業所数やメリット・業務面でのデメリットも紹介

遠隔点呼を実施できる範囲

遠隔点呼は、以下のような場所で実施することができます。

営業所内

  • 営業所とその営業所に属する車庫の間
  • 営業所に属する車庫同士の間

営業所間

  • 異なる営業所同士の間
  • 営業所と他の営業所に属する車庫の間
  • 営業所に属する車庫と他の営業所に属する車庫の間
  • 営業所と同じグループ企業の営業所の間
  • 営業所と同じグループ企業の車庫の間
  • 営業所に属する車庫とグループ企業の車庫の間

同じ事業所内の他の営業所やグループ企業が関係する場合、やや複雑になります。

IT点呼を導入する流れ

IT点呼を導入し、月間242時間の業務削減に成功した株式会社サンワを紹介します。

株式会社サンワは、デジタル化・DXを推進している一方でアナログ作業が残っていました。例えば、紙のタイムカードや出勤簿を利用していたため、労働時間の算出に時間がかかっていたと言います。そこで、導入したのがTUMIXのIT点呼キーパーです。

IT点呼キーパーはAPIで自動連携し、矢崎のデジタコも自動でデータを取り込めます。勤務時間の算出にかかっていた事務工数を一気に削減でき、結果的に月間242時間の業務削減に成功したそうです。

参考:TUMIX|2024年問題に向けてDXで効率化を目指す

IT点呼を遠隔点呼と比較して導入しよう

IT点呼と遠隔点呼について比較しました。主に点呼できる範囲について説明しましたが、基本的にはGマークを取得しているほうがIT点呼は進めやすいです。

また、株式会社サンワがTUMIXのIT点呼キーパーを導入し、月間242時間の業務削減に成功した例もお伝えしました。デジタコと連携できるのでドライバーの勤務時間管理も大変スムーズです。

業務時間の削減に興味関心のある方はぜひIT点呼の導入をご検討ください。

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