「2023年問題」と聞いたとき、思い浮かべるのはどのような問題でしょうか。

2023年には多くの問題があるといわれています。それぞれの業界や立場によって、思い浮かべる問題は異なるでしょう。

どのような業界で、どのようなことが問題視されているのかを知っておけば、対処を取りやすくなります。2023年問題と呼ばれるさまざまな問題について、ひとつひとつ内容を見ていきましょう

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2023年問題とは?様々な種類が存在する

「2023年問題」には、多くの意味があります。業界や企業規模等によって、2023年問題という言葉が示す内容は異なるでしょう。2023年がはらむさまざまな問題を正しく知り、注意深く経営を行っていく必要があります。

本項では、4つの2023年問題について解説します。

1.企業:割増賃金率の引き上げ

中小企業の経営者やバックオフィス業務にあたる方にとっての「2023年問題」とは、多くの場合、割増賃金率の引き上げを指すでしょう。

2023年4月1日から、月60時間を超える残業をした場合の割増賃金率が、全企業で50%となります。2023年3月31日までは、1ヵ月の時間外労働に対する割増賃金は、中小企業の場合一律で25%でした。しかし、2024年4月1日以降は、大企業と同じ50%を支払わなければいけません。

60時間を超える残業が発生している企業にとっては、人件費の上昇が不可避です。業務効率化や人材の新規採用等によって、残業時間を抑制する必要性があるでしょう。

2.オフィス:空室率の拡大

オフィス賃貸を行っている企業にとっての2023年問題は、空室率の拡大が予想されていることです。

2023年に完成を迎えるオフィスビルは、都内に数多く存在しています。これらのオフィスビルは、企業の入居を見込んで建設されたものです。

ところが、2020年以降、新型コロナウイルス感染症の拡大によって急速にリモートワークが増加しました。オフィスを手放す企業や縮小する企業が相次ぐ中で、新たに完成するオフィスビルのテナントを確保できるかどうかという問題が起こっているのです。

さらに、需要が減っているにもかかわらず新たなオフィスビルが多く開発されれば、現在オフィスビルを保有している不動産業者やオーナーまで問題が波及する可能性があります。

機能性に優れたオフィスが新たに完成すれば、移転を検討する企業が出てくるかもしれません。そうなれば、現在入居者がついている既存のオフィスビルも、空室リスクにさらされます。

3.医療:医学の世界基準の策定

医療分野における2023年問題とは、アメリカ国外の医学生がアメリカで医師資格を取得する際に起こる問題です。

2023年以降、アメリカ国外の医学生は、世界医学教育連盟(WFME)による認定を受けた医学部の卒業生でないと米国医師資格試験(USMLE)の受験資格を得られなくなります。そこで、日本国内の医学部では国際基準に適合したカリキュラムへの改編が急速に進められています。

ただし、新型コロナウイルス感染症の影響で、2024年まで開始が延期されることになりました。

4.不動産:世帯数の減少

不動産業界における2023年問題は、オフィスの需要と供給のギャップだけではありません。世帯数が減少に転じると予測されていることから、不動産価格の下落が起こるとも言われています。

そもそも、日本では以前から人口の減少が問題視されてきました。実際に、人口は年々右肩下がりに減少しています。しかし、世帯数に限っていえば、2020年まで増加が続いています。しかし、この世帯数も2023年をピークに減少に転じると予想されているのです。

世帯数が減るということは、部屋の契約数が減るということです。人口の流入が著しい都心部はともかく、地方部では空き家が増加する可能性があるでしょう。

2023年問題から日本の動向を考えよう

2023年は、中小企業や不動産業界の企業など、多くの事業主が問題に直面する年になるでしょう。これは、景気後退のリスクが高いということでもあります。

IMFによる2022年10月世界経済見通しでは、2022年の成長率を3.2%、2023年の成長率は2.7%としています。一方、日本の成長率予測は2022年1.7%、2023年1.6%です。

現在も物価高や光熱費の高騰といった問題が起こっている中で、2023年の経済の見通しは決して明るいものとはいえません。多くの企業は、人件費や光熱費、原料高などの影響による問題に直面すると予想されます。

(まとめ)2023年問題に備えて対策を練ろう

2023年に起こる可能性が高いさまざまな問題に対処するために、早めの対策を練っておく必要があります。問題が顕在化してから慌てるのではなく、事前に問題を回避する方法について検討しておかなければいけません。

激動の時代を乗り切っていくために、業務効率化や経営改革を進めていきましょう。

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