運送業が活用できるIT関連の補助金は何がある?企業事例も紹介

運送業界においても、デジタコや運行管理システム、勤怠管理システム、ASV装置など、さまざまなITシステムが活用されています。このようなシステムを導入する際は、利用できる補助金がないか調べてみましょう。

運送業界におすすめのIT関連の補助金について、利用対象や補助される金額をまとめて解説します。補助金を活用して、IT化を進めましょう。

運送業が活用できるIT関連の補助金・助成金

運送業IT関連の補助金

ITシステムの導入やDXには、一定のコストがかかります。業務効率化のためにIT化を進めたいと考えていても、初期費用がネックでなかなか踏み出せないという事業者もいるでしょう。

そこで、運送業界で利用できるIT関連の補助金や助成金をピックアップしました。補助を利用できるシーンと、補助される金額について、種類別にご紹介します。

IT点呼の導入補助金

IT点呼の導入補助金は、国土交通省自動車局が行っている補助金です。

補助の対象になるのは、国土交通大臣が選定した過労運転防止につながる機器類を導入する事業者です。対象機器は以下の4種類で、それぞれ選定が行われています。

  • 遠隔地からの操作が可能なIT点呼システム
  • 運転中のドライバーの疲労測定システム
  • 休息時間中のドライバーの睡眠状態を測定するシステム
  • 運行管理システム

選定された機器を導入する場合、取得費用の2分の1が補助されます。ただし、1申請者あたりの上限は80万円です。

利用を希望する事業者は、申請期間(令和4年7月22日から令和4年11月30日)中に、地方運輸局の受付窓口に手続きに行きましょう。オンライン手続きも可能ですが、郵送では受け付けられません。

IT導入補助金

IT導入補助金は、運送業に限らず幅広い事業者が利用できるIT関連の補助金です。中小企業や小規模事業者がITを導入する際に、補助が受けられます。

補助内容は、以下に分けられます。

  • 通常枠

一定のプロセス要件を満たす、生産性向上につながるITツールを導入する際、導入コストの2分の1の補助が受けられます。プロセス数が1点以上の場合は補助額30万円~150万円未満、4点以上なら150万円~450万円以下です。

  • セキュリティ対策推進枠

独立行政法人情報処理推進機構が公表しているサービスの導入時に、サービス利用料最大2年分の半額が補助されます。金額は5万円~100万円です。

  • デジタル化基盤導入類型

会計ソフトや受発注ソフトなどのITツールを導入する際、ツールの機能に応じて3分の2、または4分の3の補助が受けられます。補助額は5万円~350万円です。

  • 複数社連携IT導入類型

複数の中小企業などが連携してITシステムを導入する際に利用できます。補助率や補助額は、支出の種類等によって細かく規定されています。

IT導入補助金の利用を希望する事業者は、まず、よろず支援拠点や商工会などの支援機関に相談にいきましょう。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業等の生産性向上につながる取り組みを補助する制度です。正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と言います。

ものづくり補助金には、3つの枠がありますが、そのうちITに関連するのは「デジタル枠」です。DXやデジタル化につながるIT機器類を導入した際に、3分の2の補助を受けられます。補助上限は750万円~1,250万円です。

利用できる対象者は、以下を満たす3年から5年の事業計画を策定し、実行する事業者です。

  • 付加価値額が年間プラス3%以上
  • 給与支給額が年間プラス1.5%以上
  • 事業場内でもっとも低い給与が、地域の最低賃金を30円以上上回っている

運行管理の高度化に対する補助金

運送業者が、デジタコやドラレコを導入する際に利用できるのが「運行管理の高度化に対する補助金」です。対象になるのは、国土交通大臣が認定した機器類です。

補助率は、デジタコ、ドラレコ共に費の3分の1になります。1台あたりの補助上限額は、以下の通りです。

デジタコ……車載器2万円、分析ソフト等10万円

ドラレコ……車載器1万円、分析ソフト等3万円

申請期間は、二次募集が令和4年9月1日から令和4年11月30日までです。最寄りの地方運輸局等の窓口に書類を持参しましょう。電子申請もできますが、郵送申請は不可です。

ASV装置購入に対する補助金

国土交通省は、事業用のASV(先進安全自動車)を導入する事業者への補助を行っています。補助率は、ASV装置の購入費用の2分の1で、上限額は補助対象となっている装置に応じて規定されています。たとえば、衝突被害軽減ブレーキ(歩行者検知機能付き)は、3.5t超のトラックが対象で、補助上限額が10万円です。

補助申請期間は、令和4年7月22日から令和4年11月30日までで、令和4年4月1日以降に新車登録した車が対象です。

申請は、最寄りの地方運輸局または運輸支局で行い、電子申請もできます。また、郵送申請を受け付けていますが、執行率が70%を超える見込みになった時点で受付終了となります。

安全装置等導入に対する助成金

全日本トラック協会では、以下のITシステムを活用した安全装置を導入する際に、対象装置ごとに取得額の2分の1、上限2万円までの補助をおこなっています。

  • 後方視野確認支援装置
  • 側方視野確認支援装置
  • 呼気吹込み式アルコールインターロック
  • IT点呼時に利用する携帯型アルコール検知器

申し込みや申請期間などの詳細は、各都道府県のトラック協会で確認できます。

運送業におけるIT導入補助金の活用事例2選

IT導入補助金の活用事例

運送業界には、実際にIT関連の補助金を活用してシステムの導入を行った企業があります。ここでは2社を取り上げて、導入前に抱えていた課題や、導入後の成果について解説します。

山陽トラック 株式会社

山陽トラック株式会社では、拠点ごとに配送の手配や請求業務を行っていました。その中で、配送先が多く、手作業で行う事務処理の負担が大きいことからミスが起きやすいという課題と、本社が状況を把握しにくいという課題を感じていました。

そこで行ったのが、IT補助金を活用した運送業向けの統合型業務ソフトの導入です。送り状の取り込みと情報登録や、請求書や実績報告書の自動作成などの機能で、業務効率化を実現できました。また、拠点独自のデータ入力ルールなどを排し、本社主導で統一性のあるデータ管理を実現しています。

有限会社山藤運輸

有限会社山藤運輸は、売上や入金、請求といった経理業務を手書きやExcelで処理していました。請求書や売上実績データのペーパーレス化、デジタル化は進んでおらず、事務スタッフの負担が大きく長時間労働になりがちです。

そこで、中小機構のIT導入補助金を活用して、請求書の発行や入出金管理などができる販売管理システムを導入しました。これによって、売上集計の管理にかかる時間が30%以上短縮し、計算ミスなどもなくなったということです。

勤怠管理ツールの導入で業務効率化を実現!

運送業界の勤怠管理や労務管理をIT化するなら、運送業に特化したサービス提供を行っているTUMIXコンプラがおすすめです。デジタコの取り込みや打刻システムとの連携なども可能で、運送業界の勤怠管理、労務管理に便利にご活用いただけます。

TUMIXコンプラの導入では、IT補助金が利用できる可能性もあります。それぞれの企業の状況に合わせて導入のご提案をしていますから、お気軽にご相談ください。

(まとめ)IT補助金を活用して導入における負担を軽減できる

IT関連の補助金を活用すれば、業務効率化に役立つITツールの導入負担を軽減できます。これまでアナログな管理を行っていた企業も、IT化を検討してみましょう。

とはいえ、IT化やDXといっても何から始めれば良いかわからないという事業者もいるでしょう。まずはできるところから、IT化を進めてみてはいかがでしょうか。商工会や、気になるITツールの提供を行っている企業などに相談すると、自社に適した進め方のアドバイスがもらえます。