Gマークとは?認定事業所数やメリット・業務面でのデメリットも紹介

数多く存在している運送業者の中で、荷主企業から選ばれる業者になるためには、企業の健全性や、運行にあたっての安全性などのアピールが役立ちます。

全日本トラック協会では、安全性の高い優良事業所に対する認定制度である「Gマーク制度」を実施しています。Gマークを取得して、取引先に対するアピールに活用しましょう。

Gマークを取得するまでの流れやメリット、デメリットなどについて解説します。

Gマークとは?

運送トラック

トラックなどに貼られている水色と黄緑色の「Gマーク」ステッカーを見たことがある人もいるでしょう。これは、安全性が高い事業所として認定を受けた事業所のトラックであることの証です。

Gマークの意味や制度ができた背景を解説します。

国土交通省推進の「安全性優良事業所」認定制度

Gマークは「貨物自動車運送事業安全評価事業」において、安全性優良事業所の認定を受けて認定証を交付された事業者に与えられるマークです。この事業は国土交通省が推進しているもので、国の指定機関である「公益社団法人全日本トラック協会」によって、平成15年7月からスタートしました。

安全性優良事業所の認定を受けるためには、一体以上の事業規模であることや、輸送の安全性の確保に積極的に取り組んでいると評価できることなどが必要です。こうした要件を満たすことで、安全性の証であるGマークが与えられます。

なお、Gマークの「G」とは「Good(よい)」、「Glory(繁栄)」の頭文字から取られています。

設立された背景・目的

Gマークは、ユーザーが安全性の高い運送事業者を選ぶ際の指針とするためなどの理由で設立された制度です。

平成11年には運輸技術審議会答申の「安全と環境に配慮した今後の自動車交通政策のあり方について」の中で、優良な事業者の認定について言及されています。その後、平成15年5月に貨物自動車運送事安全性評価委員会が発足し、7月には国土交通大臣が指定した公益社団法人全日本トラック協会による安全性優良事業所の認定と公表が始まりました。

平成15年以降、Gマークの認定事業所数と認定事業所の車両台数は右肩上がりに増加しています。Gマーク制度は、安全性の高い事業者を選んで利用するための目安として活用されているといえるでしょう。

Gマーク取得企業は事故の割合が減少

Gマークを取得した事業所は、取得していない事業所に比べて、車両1万台あたりの事故件数が半分以下となっています。

令和元年中のGマーク取得事業所と実取得事業所の車両1万台あたりの事故件数は、以下の通りです。

  • 重症事故以上の事故件数……未取得事業所5.9件、取得事業所2.1件
  • 死亡事故件数……未取得事業所2.8件、取得事業所1.0件

これは、Gマークの認定が正しく安全性を評価できている証拠だといえるでしょう。

なお、安全性優良事業所の認定を受けたGマーク取得企業は、令和3年3月末時点で全国2万6,940事業所に上ります。これは、全事業所の31.2%に当たる割合です。

Gマークを取得するまでの流れ

Gマーク取得までの流れ

Gマークの申請から認定までは、以下のステップで進みます。

  1. Gマーク取得のための安全性に関する取り組みを実施する
  2. 申請書配布期間中に、Gマーク取得のための申請書を入手する
  3. 申請書と添付書類を作成する
  4. 事業所を管轄している地方実施機関に対して、Gマークの申請を行う
  5. 都道府県トラック協会による審査が行われる
  6. 都道府県トラック協会から、全日本トラック協会に書類が送付される
  7. 安全性評価委員会による認定を受け、Gマークを取得する
  8. 全日本トラック協会のHPに安全性優良事業所として公表される

Gマーク取得のための条件や申請方法については、こちらで詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

Gマーク取得企業が得られるメリット

Gマークのメリット

Gマークを取得した事業所は、コストの削減や信頼性の向上といったさまざまなメリットを得ることができます。7つのメリットについて、ひとつずつ見ていきましょう。

コスト削減

Gマークを取得している事業所は、事故などに備えるための保険に加入する際、保険料の割引を利用できる可能性があります。

割引は、一部の損害保険会社や交通共済が行っているもので、すべての保険会社で利用できるわけではありません。しかし、Gマークを取得することで割引を受けられれば、その分コスト削減につながります。

全日本トラック協会によると、保険料の割引を行っている損保会社は以下の通りです。

  • あいおいニッセイ同和損保 「運送業総合保険」
  • 損害保険ジャパン
  • 神奈川県自動車交通共済協同組合
  • 四国交通共済協同組合

企業信頼度の向上

Gマークは「利用者が安全性の高い運送業者を選びやすくする」という目的を持った制度です。取得するためには、事業開始から3年以上、安全性に対する法令遵守や、事故や違反の状況、安全性に対する取り組みなどを確認されます。

Gマークを取得しているということは、こうした厳しい評価項目で基準を満たしているということですから、取引先からの信頼を得やすいでしょう。

取得事業所はHPで公開されるため、検索も可能です。運送事業者の選定の際、有利に働くと考えられます。

IT点呼の導入

Gマークを取得すると、IT機器を利用した「IT点呼」が可能になります。

IT点呼は、国土交通大臣が定めたIT機器を利用して行いますが、一定の要件を満たしていないと導入できません。ドライバーと管理者が対面で点呼を行う従来の方法に対し、IT機器類を活用して遠隔地にいるドライバーの点呼もできるIT点呼は、業務効率化に役立つといえるでしょう。

違反点数期間の短縮

Gマーク取得事業所は、交通違反をした際の違反点数が最短2年間で削除されます。

交通違反や交通事故を起こすと、違反点数が加算されます。違反点数は、通常3年分が蓄積されますが、Gマークを取得していると、この期間が短縮されるのです。

Gマーク取得事業所に違反点数が付与された後、2年間違反点数の加算がなかった場合は、該当の違反点数が削除されます。

補助条件の軽減

圧縮天然ガスを燃料にする「CNGトラック」は、環境に配慮したトラックとして、導入の際補助金の対象になります。通常、新車のみの導入の最低台数要件は3台ですが、Gマーク取得企業は補助条件が緩和され、1台でも補助対象となります。

まずは1台導入して使い勝手を試してみたいといった場合にも利用できると考えられるため、大きなメリットだといえるでしょう。

安全性優良事業所表彰

Gマーク取得事業所のうち一定の要件を満たす場合は表彰対象となり、一層の信頼を得られます

表彰には「地方運輸局長表彰」と「運輸支局長表彰」の2種類があり、「Gマークを連続10年以上取得している」「重大な事故を起こさずに行政処分も受けていない」「トラックに、デジタコまたはドラレコが装着されている」などの要件を満たさなければなりません。

地方運輸局長表彰と運輸支局長表彰では、上記のように共通の要件もあれば、内容が異なる要件もあります。しかし、いずれにせよ安全性に対し一層の配慮をしていることが条件です。

助成金の優遇

Gマークの認定を行っている全日本トラック協会では、都道府県トラック協会の会員に対する助成を行っています。Gマーク認定事業者は、助成を利用する際に優遇措置を受けられます

  • ドライバー等安全教育訓練促進助成制度

全日本トラック協会が指定する、ドライバー等の安全教育に関する特別研修の受講料が全額助成されます。通常の助成は受講料の7割です。

  • 安全装置等導入促進助成事業

IT点呼を行う際に必要な「携帯型アルコール検知器」を購入する際、1台につき2分の1、上限2万円の助成が受けられます。

  • 経営診断受診促進助成事業

経営診断を受ける際の助成金が、通常8万円のところ10万円に増額されます。また、経営改善相談については、通常2万円の助成が3万円に増額されます。

Gマークを取得すると業務面の負担が増える

Gマークのデメリット

Gマークには多くのメリットがありますが、デメリットが一切ないというわけではありません。

まず、Gマークの認定を受けるための対策が挙げられます。Gマークを取得するためには、さまざまな要件を満たさなければいけません。また、要件を満たしていることを伝えるための添付書類の作成も必要です。

通常業務に加えて、このような申請に関する業務を行わなければいけないため、事業所の管理者や事務スタッフの負担は増加するでしょう。

また、ドライバーも常日頃の運転に十分気を配る必要があります。事故や違反が複数回あると、Gマーク認定の更新ができなくなってしまうかもしれません。

継続してGマークを取得するためには、従業員ひとりひとりが安全を意識し、取得のために協力し合う必要があります。同時に、ドライバーが無理な運転をすることがないよう、安全に配慮できる体制を整えることが求められます。

業務効率化&運行管理の品質向上に繋がる「TUMIXコンプラ」

TUMIXコンプラは、勤怠管理やドライバーの安全に取り組む運送会社をサポートする勤怠・労務管理ツールです。

勤務簿と自動連携できる打刻システムや、デジタコ取り込みによる運行履歴の分析、運行結果の数値化やグラフ化といった、安全性向上につながるさまざまな機能が、業務効率化や運行管理の品質向上に貢献します。

TUMIXコンプラで、Gマークの取得や業務効率化による従業員の負担軽減を目指しましょう。無料のオンライン相談や資料の送付も行っていますから、まずは詳しい機能をご確認ください。

(まとめ)Gマークは優良な運送事業者の証になる

Gマークを取得することで、安全性に十分配慮した経営を行っている優良な運送事業者であることを示せます。安心して荷物を任せたいと考える荷主企業に対して、強いアピールになるでしょう。

Gマークの取得申請は限られた期間しか行えませんが、申請のための業務改善は今すぐ始められます。認定を受けるためにも、安全性の高い運送を実現するためにも、取得要件のクリアを目指しましょう。