kintoneでの販売管理は可能?
業務改善

kintoneでの販売管理は可能?
おすすめの外部システムやプラグイン

投稿日:2022年3月9日

さまざまな業種・部署の業務効率改善に役立つkintoneですが、販売管理に利用する際には注意が必要です。取引先のマスタ化や売上登録、それによる集計や分析はできますが、データの活用となると標準機能だけでは心許ないのが現状です。

では、kintoneで販売管理を行うのは難しいのでしょうか。
この記事では、kintoneで販売管理ができるのか、できるとすればどのような運用方法があるのか、導入事例なども交えて解説します。

kintoneで販売管理は可能?

kintoneで販売管理は可能?
kintoneの導入にあたり、「販売管理にも利用したい」と考える人は多いでしょう。しかし、kintoneにも得意な分野と苦手な分野があり、販売管理に関しては「kintoneだけで手軽に運用」というわけにはいきません。どのような運用なら効率よく販売管理ができるのかみていきましょう。

kintone単体だと難しい

kintoneはデータの集計や、分析・管理は得意ですが、販売管理にはあまり向いていません。一般的に販売管理と呼ばれる業務は、自社商品と取引先のマスタ化、見積書の作成から売上の登録、指定の書式に合わせた請求書の作成・印刷、入金消し込み、未入金の繰越などの月次処理まで多岐にわたります。

kintoneでは、日々の業務はもちろん、それに付随する売上や利益の集計などの業務は問題なくこなせます。しかし、請求業務のような〆処理までは対応していません。そのため、kintone単体での販売管理は難しいのが現状です。

外部システムとの連携で効率的な販売管理が可能に

kintone単体では難しいものの、外部システムと連携させれば販売管理も可能になります。

一般的な販売管理システムは、日々の業務の他にkintoneが苦手とする請求業務や〆処理、入金消し込みや未入金繰越処理などにも対応しているため、こういったツールと連携させることでkintoneを使った販売管理システムを構築します。

「それなら販売管理にkintoneはいらないのでは?」と感じるかもしれませんが、販売管理システムは項目ごとにピックアップしてグラフ化する、分析周りの分野を苦手としています。kintoneはここを得意としているため、連携することで各ツールが苦手な部分を補い合う形にできるのです。

kintoneでの販売管理におすすめの外部システム

kintoneでの販売管理におすすめの外部システム

外部システムとの連携により機能を最大限に発揮できるkintoneですが、どのようなシステムとの連携が効果的なのでしょうか?ここからはkintoneとの連携におすすめの販売管理システムをご紹介します。

freee会計

おそらく会計ソフトとして最も知名度が高い「freee会計」。「誰でも使える」をテーマにしており、画面上にガイドが表示されるなど、専門的な知識がなくても経理処理ができるわかりやすさが魅力です。

kintoneと連携させると見積書から請求書の作成までを一元化でき、売上や支払状況の可視化も可能になります。kintone上で新たに登録・更新された取引先情報は、freee会計でも新規作成または情報更新されるため、面倒な情報のすり合わせなども必要ありません。freee会計で作成された帳簿データはkintoneに保存でき、売上管理も簡単です。

ただし、売上が0円以下の見積書や請求書、伝票類の作成には対応していません。また、freee会計側で見積書や請求書の金額を編集してもkintone側に反映できないため注意が必要です。

Focus U

kintoneの機能をベースとした「Focus U」は、見積書や請求書の作成から入金管理までをこなすクラウド型販売管理システムです。汎用性の高い機能を揃え、オプション機能も豊富なため、カスタマイズによる他システムとの連携を得意としています。

クラウド型なので、見積・受注・売上・請求・入金まで、すべての状況がリアルタイムに反映され、共有できるのが強みです。各項目に集計機能が備わっているため「見たい情報を見たい時に見られる」状況を実現でき、データの分析や指標としても役立てられます。

オプションごとに細かく料金プランが設定されているので、自社に合わせた使い方ができるのも魅力といえるでしょう。

マネーフォワード クラウド請求書

フォームに沿って入力するだけで帳票作成が可能な「マネーフォワード クラウド請求書」は、見積書・納品書・請求書・領収書に対応したクラウドシステムです。

入力内容がリアルタイムでプレビュー表示されたり、取引先の状況が一目でわかるステータスが表示されたりと、細かな工夫がミスを防ぎます。帳票の出力方法は郵送・メール・PDF・印刷と、取引先に合わせて選べる点もマネーフォワード クラウド請求書の特徴です。

kintoneとの連携により、取引先データの作成や見積・請求内容の更新などがワンクリックで済むため、転記の手間を省け、ミスの発生も防げます。kintoneから入金状況をチェックできるので、スムーズに業務を進められます。

PCAクラウド商魂・商管DX

「PCAクラウド商魂・商管DX」は、中小企業向けに特化した販売管理システムです。

ロット別などによる複雑な商品単価の設定や、フリーフォーマットによる帳票出力はもちろん、電子マネーやQRコードといった決済別による手数料管理や、手付金の条件などにも対応しており、販売・売上管理の効率化を図れます。

kintoneとの連携では、それぞれに入力済みのデータを活用するので面倒な設定が必要ありません。また、クラウド型なのでkintoneから入力された情報をもとに「PCAクラウド商魂・商管DX」で伝票を作成し、データとしてkintone上で確認するといったことも可能です。

一定以上のステータスに達しなければ連携させないといった設定もできるため、ミスの防止にも活用できます。

kintoneでの販売管理におすすめのプラグイン・アプリ

kintoneでの販売管理におすすめのプラグイン・アプリ
kintoneで販売管理をする際は「販売9」を使うのがおすすめです。販売9では、案件・受注明細・請求・発注明細・発注・取引先台帳・仕入れ先台帳・販売商品マスタ・仕入れ商品マスタの9つの基本機能を追加できます。

一部有料ではありますが、クラウド会計システムや決済サービスなどとも連携できるため、kintoneの利用企業からも注目されています。基本機能のほか、各自でフィールドを追加したり、連携元と連携先で項目を紐づけたりと、柔軟にカスタマイズできるのも「販売9」の特徴です。

kintoneを使った販売管理の事例

kintoneを使った販売管理の事例
kintoneが実際にどのように利用されているのか、気になる方も多いでしょう。そこで、実際にkintoneを導入し、販売管理を行っている企業の成功事例をkintone公式サイトより2つご紹介します。

京屋染物店

創業100年の歴史を持つ染工場「京屋染物店」は、納期や作業進捗が十分に共有されないという、社員同士の連携に問題を抱えていました。高額な投資をしてタスク管理システムを導入したものの、使い勝手の悪さから浸透しなかったといいます。

そこで導入したのがkintoneでした。kintoneの導入後、これまでは別々に管理していた受注案件と制作指示書を受注管理アプリに一元化、新規案件から各部署の進捗、最終納期までが可視化されます。

これによって負担の大きくなっている部署を他部署が手伝うといった協力体制が生まれ、大幅な納期短縮と残業ゼロを実現しました。在庫の適正化によってキャッシュフローも改善され、kintone導入後の繁忙期の売上は例年の1.5倍と、創業以来最高を達成しています。

塗装業者

こちらはクラウドラボがkintoneの伴走・開発支援をさせていただいた企業様の事例です。

ある塗装業者様は、今ある在庫数や持出し数などをすべてノートに書き込むことで管理していたものの、どうしても数が合わなくなってしまうなど、販売管理の中でもとりわけ塗料の在庫管理に課題を抱えていました。
注文書などの帳票もすべて手書きだったため、事務職員への負担が大きく、ヒューマンエラーも多く発生していたそうです。 この状況をkintoneで解決しようと試みました。

具体的には、在庫管理アプリと注文書アプリが連動して在庫数が自動更新されるように設計。在庫が不足するとアラートが表示されるようにしたため、販売数と在庫がずれてしまうこともなくなりました。
また、連動したデータをもとに注文書アプリから注文書や請求書が作成されるため、業務負担の軽減やミスの防止にもつながっています。

kintoneでの販売管理まとめ

kintoneでの販売管理まとめ
情報の集計や分析は得意なkintoneですが、標準機能だけでは販売管理に必要な機能をすべてカバーすることはできません。しかし、外部システムとの連携や、プラグイン・アプリにより機能を追加することで販売管理にも活用できます。kintoneと外部システムを連携させ、プラグイン・アプリを活用することで、販売管理業務の効率化を目指しましょう。