レポート

モンスター??Cybozu Days 2019 名古屋へ行ってきました!

投稿日:2019年9月6日

Cybozu Daysとは?

Cybozu Daysはkintoneをはじめとしたクラウドサービスを提供するサイボウズ社の総合イベントです。2016年に初めて開催され、毎年様々なテーマが設けられ、そのテーマに沿ったセッションや展示がされるイベントです。テーマの中でのサイボウズ製品の活用の仕方など、サイボウズ側の話や、実際に利用しているユーザーの事例などを聞くことができます。今年は東京、大阪に加え、初の名古屋での開催となりました。東海地方への進出ということで、クラウドサービスが地方への進出が本格化してきていることがわかります。

kintoneについてはコチラ

今回はCybozu Days 2019 名古屋に参加した中で、特にサイボウズの青野さんのトークセッションの中から、働き方改革について取り上げてみたいと思います。

モンスターへの挑戦状!!

Cybozu Days 2019のテーマは「モンスターへの挑戦状」です。サイボウズ代表の青野さんの著書である「会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。」をベースにしています。この本では会社という実態のないものをモンスターとして捉え、その実体のないものに色々と思いこまされていませんか?支配されてしまっていませんか?という疑問を投げかける内容となっています。

今回のCybozu Days 2019では、この内容をさらに広げ、「〇〇しなくてはいけない」とか「○○はすべきではない」という思い込みを、実体のないモンスターとし、そのモンスターに立ち向かおう!そのためにはどうしたらいいのか?がテーマとなっています。

その思い込みの根本にはやはり会社があり、会社のためにこうでなければならないという考え方になってしまいがちです。でも、実体のない会社の正体は実体のある人間の集まりでしょ?と捉え直すことで、バイアスのかかった考え方から脱し、そこに属する人間が本来の能力を発揮することで会社をさらに成長させる。これがこれからの会社の一つの形なのかもしれません。

モンスター化したサイボウズ

モンスターへの挑戦をしている事例として、サイボウズ社自身を例に挙げたサイボウズ代表の青野さんのトークセッションがありました。
青野さんのセッションでは自身がサイボウズの社長に就任してからこれまでのこと、自分がどのようにしてきたか?それに対して会社はどうなったか?従業員は?という視点で話をされました。
青野さんが社長就任したとき、すでにサイボウズは上場企業でした。いきなり上場企業の社長になった青野さんには「上場企業の社長はこうでなければならない」「上場企業はこうでなければならない」という思込みが自然とあったようです。普段、目にしている上場企業やその社長がそうであるように、自分もまた、自社もまたそういう像でないといけない、それを目指さないといけないと疑いもなく思ってしまうのは、自然なことかもしれません。そして青野さんはそのために売上の目標をたてて力強く行動していきました。自分が思う上場企業というものを実現するために。その結果、社長の無茶ぶりに離職率は28%に上昇。さらに会社を大きくしなければと考え、M&Aに取り組むも2度失敗と、会社としてうまくいっていませんでした。そこで、会社ってなんなんだろう?と思った青野さんは方針転換をしようと決心したそうです。売上に固執し、色々な分野に手を出していましたが、原点に戻り、グループウェアに注力していこうと。そして会社がこうあるべきというように、会社と向き合うのではなく、それを形作っている一人一人の人間と向き合っていこうと。
こうして人に焦点をあてた考え方に切り替わ例、ここからサイボウズの働き方改革がはじまったそうです。

サイボウズの働き方改革

世間で取り上げられる前から働き方改革を進めてきたサイボウズ。そんなサイボウズの取り組みについて興味深かった内容を取り上げてみたいと思います。

まず、単に働き方改革だからと会社が制度を改めて、それを従業員に強要することはモンスターに支配されているという話が印象的でした。いかにその制度の内容がホワイトなものだとしても、従業員一人一人の思いや考えが違い、個性があるのにも関わらず、従業員みんなが同じ制度を適用させられるのは真の平等とは言えないとのことでした。仕事への価値観が人それぞれ違い、早く帰りたい人もいれば、そうでない人もいる。給料を多くもらいたいひともいれば、給料以外の部分を価値だと思い働いている人もいる。それなのにみんなを同じ制度を適用して、働き方改革だ!といっても、みんなに平等に幸せを与えることはできないのではないか、と。それこそ、ホワイト企業という実在しないもの、ここでいうモンスターに支配されている状態ではないか、と。会社に焦点をあてるのではなく、一人一人の人間と向き合い、多様性ということを意識していく中ではこの考えは確かに!と思えるものでした。

「100人いれば100通りの働き方、100通りの人事制度があっていい」と考えたサイボウズが取り組んだ制度の一つに、働く時間の選択(選択型人事制度)というものがありました。これは働く場所、働く時間を9分類から選べるようにしたもので、一人一人の生活の仕方、時間の使い方にあわせて自由に選択できるものです。このことで、家庭のある人、副業をしている人、家庭の事情で地元へ戻らなくてはならなくなった人など、制約がある人たちも働くことができる環境を構築しました。このことで能力があるのに制約があって辞めなければならない人とか、働きたいけど働けない人の受け皿ができ、サイボウズで活躍してもらうことができるようになったそうです。ちなみに今年からはこの選択型人事制度がさらに柔軟になり、従業員一人一人が自分で働き方を考える自由記述式になったとのこと。従業員が働きやすいように、それも一律ではなく一人一人が働きやすいように変えていこう!というサイボウズの意思が見て取れました。

その他にもサイボウズでは最大6年の育児休暇、子連れ出勤、会社への申請のいらない副業の自由化、退社しても再入社可能など率先して新たな制度に挑戦しています。

働き方改革の進め方

様々な改革を進めてきたサイボウズですが、なぜ100人100通りの働き方を実現できたのでしょうか?
その点についてサイボウズのコーポレートブランディング部長の大槻さんのセッションで話がありました。

働き方改革は「ツール」→「風土」→「制度」→「文化」と進めていきます。まずツールを変える、もしくは導入することで、小さくてもいいので社内の業務を変えていく。これを続けていくと社内の風土や意識が変わってきます。ここに慣れてきた段階で制度を変えていくことで、もう風土ができているので全社的に受け入れていきやすくなります。ここまでくることで会社としての文化がやっと変わります。文章では短く書いているので簡単に思えるかもしれませんが、「風土を変える」が一番やっかいだそうです。これはなかなか一気に変えることはできない。なので、コツとしてはツール導入でなにかを変えるということを小さいところから始め、小さくてもいいので成功体験を生んでいく。それをなるべく早く成功させる。その成功を体験することで、社内にも「お!なんかいいかも!」という空気ができ、徐々に社内が主体的になり、さらに成功体験を積んでいく。この繰り返しが社内の新しい風土をつくっていくそうです。

もう一つのコツに「売り上げをあきらめましょう」というものがありました。意識的に売上追求をしていると、どうしても人よりも会社のために、という考えになってしまい、働き方改革はできなくなってしまう。
働き方改革は多様性を向上させることです。会社は売り上げをあげるものではなく、社員を幸せにする存在だとし、その先に売上がついてくるというように考えないといけないようです。ここまで吹っ切れて考えるのは会社としての体力が必要になってきますが、考えとして一つ持っておいてもいいかもしれません。

見えている未来に備えるために

サイボウズでも働き方改革に10年の歳月がかかったそうです。そのことを考えるとなかなか変革を感じられなくても、あきらめずに続けていくことが大切なようです。確実に人口が減り続けていく日本では今までのようなスタイルでは確実に維持できなくなると考えられます。そこで働き方改革をすることで、採用力を向上させ、離職率を下げることが大切になってきます。人が減ってしまうからいろんな時間やいろんな場所でフラットに繋がれる職場必要になってきます。そして、改革に時間がかかるということは、人口が減って困った状況になってから取り組むのでは遅く、できる限り早く改革に取り組み、確実にくる見えている未来に備えないといけません。さらに首都圏に比べると取り組みに遅れがでている地方こそ、率先して働き方改革について本格的に取り組んでいく必要がありそうですね。

働き方改革をはじめなきゃ!と思ってる方はまずは前述のように小さくてもいいのでツールを導入してみてください。それはサイボウズのkintoneでもいいかもしれませんし、その他にも様々なツールがあるので、もっと気軽に導入しやすく効果を実感しやすいものでも良いかもしれません。また、まずはどんなツールがあるのか?を知ることがスタートかもしれません。静岡クラウドラボでは静岡の企業に最適な業務改善ツールの情報を取り揃えています。これから避けては通れない働き方改革時代に進み方がわからない!とお悩みの方はまずは無料で相談にのっていますので、お気軽にお問い合わせください。